愛の文法 | 不完全な切り紙細工

不完全な切り紙細工

 誰も聴く人がいないのに歌いつづける歌がある
誰も見る人がいないのに踊りつづける踊り手がいる
誰も読む人がいないのに書きつづけられる言葉があって
不完全な切り紙細工を幾つも幾つもつなげていけば
そこに何かの絵が生まれるものと願う鋏がここにある




 あなたは私の述語であり修飾語
 それゆえに「私」は生き
 意味を持つことができたのだから
 そんなふうにあなたは私を愛してくれたのだから

 だから
 私があなたを愛し
 あなたなしでは生きていけなくなったとしても
 それはとても当たり前のこと

 そしてこれからは
 私が「あなた」の述語になり修飾語になる
 そうやって私たちは愛を象(かたど)るように
 分かちがたい一つの文になるだろう