うさぎ日和 | 不完全な切り紙細工

不完全な切り紙細工

 誰も聴く人がいないのに歌いつづける歌がある
誰も見る人がいないのに踊りつづける踊り手がいる
誰も読む人がいないのに書きつづけられる言葉があって
不完全な切り紙細工を幾つも幾つもつなげていけば
そこに何かの絵が生まれるものと願う鋏がここにある







  小さい兎たちの
  幼きや老いたるや知らざれど
  遠き異音に耳そばだてて
  小波のように揺れながら
  またひとしきり枯れ葉のなかの青草をはむ

  兎居て小雨も今日は温かい

  暫しは歯の草を切る音を聴く

  浅き春この日は我も兎かな