ありふれた木の枝の | 不完全な切り紙細工

不完全な切り紙細工

 誰も聴く人がいないのに歌いつづける歌がある
誰も見る人がいないのに踊りつづける踊り手がいる
誰も読む人がいないのに書きつづけられる言葉があって
不完全な切り紙細工を幾つも幾つもつなげていけば
そこに何かの絵が生まれるものと願う鋏がここにある

 
 
 
 僕は生きるだろう
 ごく平凡な人生を

 ありふれた木の枝の
 七つに枝分かれした
 小枝の一つの姿して

 道端の草の
 道から数え
 何番目かの

 草を一人で編んで
 草の冠をあなたの
 輝く髪のその上に

 そっと飾ること
 だけを夢に見て

 その草の
 その枝の
 ただひと振りの者として