蛇が口を開いて何かを呑み込もうとするようにも見えなくはない
引っ張られて切れそうな繊維がその印象を強くするけれど
少し横から見れば
蛇ほどの恐ろしさはなく
食中植物のウツボカズラの乾いた姿のようにも見えた
薄い皮膚のように透けて見える
三叉になった姿は
喧(かまびす)しく鳴いている幼鳥のようでもあり
なんだか冬にふさわしい色だなと思う
知ってるひとは知っているだろう
これはあの可憐華麗な百合の花の「跡」なのだ
花が落ちて残った
種を包んでいた筒状の部分が乾き強く弾けて
種子を飛ばした後なのだ
その種は土に落ちて
いつかまた百合の生き方を繰り返す
野の冬の形
それはこうして
どこかに見えにくい春を含んだものなのだろう