しとど降るというわけではない雨は悲しい
スコールのように降る雨は
乾燥した土の匂いさえ巻き上げて
潤いが空気にとよめくようなのに
降るか降らぬかわからぬほどの静けさで
気づけば草も木の枝も濡れ
雨滴がそこここに留まって光っている
何が悲しいというわけではない
来し方の苦も楽もみな悲となって降る気がする
そして今また世界は悲しみに沈黙する
さまざまな自らの感情と
知りうる限りの人たちの感情すらもが
雨のように僕のこころの庭木を濡らすようだ
何度も言ったかもしれないが僕は
雨が好きなのだが
それはきっと雨が悲しいからなのかと今日は思う
何の理由もありはしないのだけれど