冬の木は葉を落として身軽になる
そうすると
裸の枝は乾き
如何にも頼りなげな細さに変わってしまう
その希薄さを真似てでもいるのか
雲も形とともに存在感を失って弱々しく見えた
けれど
その形の弱さがかえって色に注目させるのか
微妙な雲の色だった
美しいとも言えるのだが
どこか奇妙な
鷺が雲に融けた以外には
翼を透過してくる光も夏の強さを失っていたのだが
それでも尚も
光が
色を持って射してくる
白い鳥が白く見えない
ただそれだけのことに過ぎないのだが
色は光の為せる業(わざ)であるはずなのだが
この夕暮れ
光と色とは異なった存在であり
それぞれに広がっていく空間を異にしている
そんな気がした
おそらくそれは
弱まった光が尚も目に
不思議と鮮やかな色合いをもたらしてくるからだったのかもしれない
次第にその色も消えると
灰色の冬空と灰色の雲の色と
鳥の色とが区別できなくなっていく
鳥はもはや白ではない
しかしまだ黒くはならず
冬空の灰色を受け容れてしまったかのようにも見えた
そうして深い寒気のなかで
空気さえもが粗い粒子になり
その粗い粒子に包まれた
鳥たちの形の輪郭も徐々に失われていく
冬とは
そういう現象だったのか
雪降らずとも
物みな形を弱めて空気と一体化してしまう季節
その
形を失い色を失う過程の中ほどで
鳥たちは
なぜかより高い方へと飛び
空に昇っていく
僅かばかり
少しばかりまだ明るい高みへと
ふと僕は思い始める
鳥は鳥であると同時に
こうやって
いつも
空の
空気の
さまざまな粒子の一部であって
束の間の勢いで
独立した形となるものの
勢いが去れば
速やかに
そして実に穏やかに
粒子のようになる
生とはそういう
二重性なのかもしれぬと















