氷雨 | 不完全な切り紙細工

不完全な切り紙細工

 誰も聴く人がいないのに歌いつづける歌がある
誰も見る人がいないのに踊りつづける踊り手がいる
誰も読む人がいないのに書きつづけられる言葉があって
不完全な切り紙細工を幾つも幾つもつなげていけば
そこに何かの絵が生まれるものと願う鋏がここにある









 朝の雨が雪よりも冷たく感じられるのは

 外が暗いからだろうか

 雪の白い煌きのない灰色の世界


 それとも不明瞭な形が呼び寄せる不安


 理由はないにこしたことはない


 ただ雨なのだ

 冷たくても凍てつくようであったとしても


 雨は雨

 僕はやっぱり僕

 

 
古(いにしえ)には神訪れし公現祭の朝