愛はいつも | 不完全な切り紙細工

不完全な切り紙細工

 誰も聴く人がいないのに歌いつづける歌がある
誰も見る人がいないのに踊りつづける踊り手がいる
誰も読む人がいないのに書きつづけられる言葉があって
不完全な切り紙細工を幾つも幾つもつなげていけば
そこに何かの絵が生まれるものと願う鋏がここにある

 
 
 あなたのむねのふくらみに
 くちづけると
 はなのにおいがする

 氷のような夜露にふれて
 唇は震えた

 けもののようにつめをたて
 くさむらにわけいっては
 水の孤独を摘み帰る

 炎のように突き抜く夜の
 叫ぶような沈黙の時が過ぎていく
 
 愛はいつも孤独の縁(ふち)に咲く花だ