月の暈 | 不完全な切り紙細工

不完全な切り紙細工

 誰も聴く人がいないのに歌いつづける歌がある
誰も見る人がいないのに踊りつづける踊り手がいる
誰も読む人がいないのに書きつづけられる言葉があって
不完全な切り紙細工を幾つも幾つもつなげていけば
そこに何かの絵が生まれるものと願う鋏がここにある

 

 夜なのに空がまだ青い

 薄雲の居並ぶ白が僕に向かって浮き上がる


 静かな道

 暈(かさ)のできた月の光をぼんやりと受けたまま


 くじけてはいけない

 歩くのだ


 止まれば暈が広がって

 地にまで届き輪の中に僕を虜(とりこ)にする


 歩くのだ

 ずっと朝ぼらけまで


 愛の痛みを受けとめるためには

 月の暈の彼方まで歩かねば


 君の胸を貫いている光の身体を持つ者は

 永遠(とわ)に君の中へと歩くのだ

 








  The Moon of Wintertime by Lydia McCauley