ちゃっぷりんさんの 『風の記憶」を読んで
少し違う角度からコメントに代えて
旅をすれば
ものを見
人に出会う
旅にある匂いは
雨にぬれる石畳
砂漠の乾いた砂
緑の果実
空に染まった根雪の上の花
ふかふかの生きた羊の匂い
匂いが風に紛れて私を包めば
私はその場所を思い出す
時刻さえも
生き物だ
人は
時間の中の
時間の中の
ある場所にいた
抱(いだ)かれた午後1時20分
甘き果実の
ぬれた肌(はだえ)
流れた髪の
ふわふわの雲
艶めかしくも膨(ふく)らんで
再来は
時空を超えてくる
時空を超えてくる
私を包む風の
生の匂い
薄く軽い服の
足の腹の胸の腕の肩の上へと通りぬけ
止むことなく
私は誘(いざな)われ
子兎のように震えた
赤い手形の碑(いしぶみ)の匂い
時の砂に紛れた
風のカーニヴァル
私のあたたかきオルフェウス
お前はいつも姿なく
私を抱きに来て
弦の音だけをそっと残して
また旅していくのだろう
壁に掛けられた
白く美しいほころびを
光が通り過ぎながら歌っている匂いがする
最後の3行は+* Misaさんの『Croque madame』
2枚目の素敵な写真からイメージをもらっています
