風の灯台 | 不完全な切り紙細工

不完全な切り紙細工

 誰も聴く人がいないのに歌いつづける歌がある
誰も見る人がいないのに踊りつづける踊り手がいる
誰も読む人がいないのに書きつづけられる言葉があって
不完全な切り紙細工を幾つも幾つもつなげていけば
そこに何かの絵が生まれるものと願う鋏がここにある






  夕闇の落ちくる岬を歩く
  風よ止まるな

  やがて立ちあがる光の塔よ
  時の誘いから我を隠せ
  高く屹立するその懐に

  沖船の打ち上げる汽笛の歌よ
  この胸の悲しみ密かに
  遥か遠くへと運び給え

  風の灯台の
  揺らめく光の路の上を