悲しき水平線 | 不完全な切り紙細工

不完全な切り紙細工

 誰も聴く人がいないのに歌いつづける歌がある
誰も見る人がいないのに踊りつづける踊り手がいる
誰も読む人がいないのに書きつづけられる言葉があって
不完全な切り紙細工を幾つも幾つもつなげていけば
そこに何かの絵が生まれるものと願う鋏がここにある




 水平線に日が沈むとき

 なぜだか溶けた海に沈んでゆくように思えるが

 そんなはずがあるわけもない

 そんなことをしたら海は煮立ち陸は昇華して

 花ひとひらのように消えるだろう



 でもあの恒星は遥かに遠い宇宙の海に沈むのだ

 水平線に日が沈むとき

 こちらの海は静かな夜になり

 あちらの海は光烈しき昼を迎える

 あの一線が私たちを確実に昼と夜とに隔ててしまうのだ



 それも毎日のように