そこにある言葉 ぱさりと 百合の花が喉元から切れて落ちた音 なんだろうと耳を澄まして そうだったのかと気づくとき 静かな廊下の日陰の奥の一輪挿しの紫の花 俯き加減の面差しで しっとりと水気を秘めている ただ咲いているようにと活けられた 花の無言に魅せられて見入るとき 夕暮れに鋭く鳴いた鳥の声 推移を追った言葉にはとても説明のできない そのときの 匂うように 沈められても艶やかな そこにあり ただそれだけの その言葉 ぽつりとひと滴 落ちてくる