海の愛 私の中で あなたが叫び声をあげた 私は項垂(うなだ)れて 波打った 愛したから 愛されたから 私はあなたの海になれたのだ でも何かはわからないけれど 確実に何かを失っていた まるで陸(おか)に上がって声を失った人魚姫 海の色を失った入江のように けっきょく愛は奪うもの 何も与えはしない 遠い昔から今に至るまで 奪われることを厭(いと)わぬことが 愛と呼ばれる