紙の舟 | 不完全な切り紙細工

不完全な切り紙細工

 誰も聴く人がいないのに歌いつづける歌がある
誰も見る人がいないのに踊りつづける踊り手がいる
誰も読む人がいないのに書きつづけられる言葉があって
不完全な切り紙細工を幾つも幾つもつなげていけば
そこに何かの絵が生まれるものと願う鋏がここにある






 銀色の折り紙を折って作った紙の舟

 月夜に川に流したら

 遠く流れて

 月の海まで届くかな



 それとも光の速さで流れゆき

 遠き未来に浮かぶかな



 それとも水に呑まれるその前に

 少し悲しそうな顔をして

 僕の記憶を責めるかな