消えていけばいいと
誰が望んで家を建てるだろうか
砂の山
砂の城
どこまでも高くと望みながら瞬く間に消える
熱い風
毛穴が身体から跳びだしそうなほどの暑さ
産毛が逆だって風がその間を
感情を燃え上がらせるように過ぎていった
黒い砂鉄を含んだ砂にまみれたまま
僕らは抱き合っていた
肌と肌のあいだに風の隙間も作らぬように
お互いの心臓が直接に叩き合っているのかと思えるほど
波音に愛撫されるがままに
酔い痴れていた
そうして
午後が傾き始めた
風が強まり潮が満ち
子どもじみた歓びのなかで作った砂の砦は
音もなく崩折れて
波に呑まれ
砂は海水の中に巻き込まれ
流された
築くがよい何度でも
そう海が歌った
何度築いても私は砂の砦を突き崩す
愛を解かした塩水が
この星のすべてを覆うまで
私はそれを止めないと