Dior 754 Pandore を試した零さんの記事に触発されて
すべての嘉きものを
神々より与えられしパンドーラ
暗い湖を見下ろす巌に独りで座る
ルフェエブルの描いたパンドーラは
贈られしものの重みに
耐えながら
放心したように
遠くを見ていた
最後の最後に
開けてはならぬと言い含められたのは
手渡された小匣(こばこ)ではなく
血のように
艶やかに透きとおる紅(べに)注(さ)して濡れた唇
引き結んだ後で
耐えきれずに開けば
吐息のように零れる
甘き厄災
美しい裸身の膝の上に抱いた匣の中には
怯えた影法師のように
予兆が震えていた
