風の小さな写真館 風音 さんの 卒業 に寄せて
誰かが今の今まで机に向かっていた
七色のチョークも黒板の上を踊っていた
やさしく活けられた花さえ
水を吸い上げ始めたばかり
でも
そこで時間が止まって
いつの間にか
塵一つなく
綺麗に清掃された教室
音もなく
チョークの粉さえ舞い上がることのない
空間になって
静まり返る
そう
そうやって僕たちは旅立ったのだ
僕たちの時間をそこに残して
そこではまた新しい生徒たちが来て
泣いたり笑ったりするのを
窓や壁や机が出迎えるだろう
でも僕たちの教室は
その同じ窓と壁と机のまま
新しい住人とは別のところにある
僕たちがまた懐かしさから
覗きに訪れるまで
ずっと僕たちの記憶の中だけに
僕たちの素晴らしかった時間と一緒に
しんと静まり返って