わたしは聞かない
なぜこうしていつもあなたに私が会いにくるのかを
繰り返されるあなたの吐息を感じるためにだろうか
暗く沈んだあなたの表情が
ときどきそうやって
青空のように澄み渡るのを見たいのか
聞かないのは
知っているからだ
聞いたところであなたは決して答えてはくれないと
あなたはいつも大きな沈黙だった
それはこれからも
決して変わることはないだろう
長いこと用意されながら描けなかった
まだ真っ白なキャンバスのように
私が
あなたの沈黙に告白し
あなたの沈黙から聴くように
庭の片隅に
まっすぐに伸びて咲いた一輪の白薔薇の
否定しがたい誇りと匂いに
理由がないように
わたしは聞かない
あなたの沈黙の理由を
それは今
濡れた砂を踏みしめて歩く私の白い翼が
はるか上空の希薄な空気のなかを飛びながら
どうしてもあなたを忘れられないのと同じこと
あなたは聞きはしなかった
私が飛ばずにはいられない理由を
いつもあなたと一緒にいるのではなく
ほとんどの時を空で過ごし
まるで暇だったから来たのだと言いたげに
束の間の時間をあなたと過ごす
本当の理由を
だから
私も聞かない
あなたと私がそうしている理由を
海と鴎の変わり得ぬ定め
永久に変わり得ぬふたりの反復の理由を