時の素早さがこれほどまでとは思わなかった
ついこのあいだ花開くように色づいていた葉が
数日の間に見事に落ち重なり
今朝は絨毯のように分厚く冬の土を覆っていた
色合いを削ぎ落とされて木は形を明らかにし
清貧を旨とする生き方を修行し始める
わずかに連れ添ったままでいる葉の幾枚かが
残り香のように風の中に漂っていた
けれどそれはとどめることのできないもの
命ある者は皆季節を過ぎて行かねばならぬ
青き葉が芽吹き輝いては色づき落ちる
冬が締めくくる一冊はまた別の誰かによって
次の春とともに開かれる本であるだろう
年ごとに月ごとに日ごとに
絶えることなく繰り返される営みの
その繰り返しこそ続いて行く命の川だ
冬はひととき氷でそれを覆うに過ぎず
水温む日に解け出す水もまたとどめることができない

