黄色い秋見つけた | 不完全な切り紙細工

不完全な切り紙細工

 誰も聴く人がいないのに歌いつづける歌がある
誰も見る人がいないのに踊りつづける踊り手がいる
誰も読む人がいないのに書きつづけられる言葉があって
不完全な切り紙細工を幾つも幾つもつなげていけば
そこに何かの絵が生まれるものと願う鋏がここにある











      小さな街の
真昼の丘で

 
     黄色い秋みーつけた

 
     僕は見上げながら
      ひとりで笑った

 
     どうして
 
     そんなに美しい
 
     そう尋ね

      銀杏が
 
     どうしようもなく愚かな
      
僕のこの問いに
      気ままな子どもみたいに
      屈託なく答えてくれたから

      銀杏は僕に
言った

      知らないわ

      ああ何と音楽的な答えなのだろうと
      僕は沈黙し
      ひとりで笑った