飛翔する鳥 | 不完全な切り紙細工

不完全な切り紙細工

 誰も聴く人がいないのに歌いつづける歌がある
誰も見る人がいないのに踊りつづける踊り手がいる
誰も読む人がいないのに書きつづけられる言葉があって
不完全な切り紙細工を幾つも幾つもつなげていけば
そこに何かの絵が生まれるものと願う鋏がここにある


 春空に鳥飛翔してあり

 羽膨らまし
 悠々と風を愛して

 一声啼きて
 曠野の上を飛び往けり

 一羽なるを顧みず
 雲間を縫いて明日を目指せるは
 かの鵬の如く見ゆれども

 春宵の色に染まりし
 羽の白さは悲しかりけり