春がもう冬の寒さを打ち消してしまった日
初雪をそっと両手でつかんで作ったような
ましろき君の乳房の上に
菫と蓮華を一本一本並べていって
君に風通しのいい肌着を作ったら
春風の吹き込む窓のそばに寝て
風たちが愛を語らうのを聞いてみる
君がその語らいに目を覚まし
桜の頬を僕の肩にあずけたら
僕は風と語らって君の肌着を吹き飛ばす
ひいたばかりの小麦粉をそっと片手で押えたような
なめらかな君のお腹の上に
タンポポの花を並べていって
春を愛しむ花の水着を作ったら
まだ少し冷たい波打ち際に寝そべって
波が恋する歌を聞いてみる
君がその歌に心を揺らし
濡らした髪を僕の胸の上に広げたら
僕は波と語らって君の水着を流しさる
そうやってただこの一日を生きてみる
そうやってただ君だけの一日を