fallen petal
冬の寒さにも
めげずに咲いている心ばえ
麗しと想いて眺めしを
近寄れば
音もなく
息をのみ
声消えて
言葉失う
明るい早春の朝
はらりと落ちた花の死を
僕は認めることができずに
立ち尽くす
愚かな花よ
いまだ少女のナルシソス
花弁の奥の真理の封印に
震える指の
まだ触れることもなきうちに
この朝はなにゆえに訪れたのか
近寄りし風の仕業か
熱き想いの重さを厭いてか
この朝はなぜ
咲き誇りし花を奪うのか
いまだ色鮮やかにある花を
悲しみの涙の色は濃紺になり
頬を満たせり
花は去り
露と消えにしを
反り見ず
願わくは
願わくは
散りゆく花は香りとなりてそこに在れ
あるいは夕暮れの淡き雲
深夜に流れる星の光芒に
花よ
形変わりて我とともに在れ
姿見せぬ風になるというのなら
往く風よ来る風になれ
花の仕草の悲しきは
この朝の変貌を兆す音
ならば続けよ
メタモルフォーゼ
新しき
花のかたちとなるために
