風が巻いていた
でも
木枯らしには思えなかった
もしかすると
それは春のさきがけ
久しぶりに
コンクリートの底で
フルートを吹く
風の子であることを
忘れないために
一所に定着することなく
吹いて行く者であることを
忘れないために
どこかから
入り込んだ風が
季節の境目で
僕に行けと言う
お前は
誰あろう俺たちの
仲間ではなかったか
お前が吹くのではない
笛は
風が鳴らすのだ
お前はただその尖兵
それがなぜ
こんな
風を防いだ場所にいるのかと
戻るがいい
何もかも捨てて
ともに吹きすさぼうと
お前を待つ者がいる
風の王国へ