ツバメ うって変わって ほの温かい冬の雨の 降りしきる 校舎のアーケードに 群れ棲んでいた越冬ツバメが 腹がすいたのか はたりと巣から落ち 濡れたコンクリートに 打ちつけられそうになる 瞬間に ツバメ返しした 逆さまの放物線で そのまま 燕尾服の尾が 十二階のビルの上まで 飛び上がる ティン・ホイッスルの聞こえてきそうな いちめん灰色の空 もう 巣を捨てたのか そのまま帰らない 鴻鵠の志を知らぬ燕雀の 遠い飛翔 きっと焦がれて すべてを失くした 幸福の王子のそばへ 帰るのだ ツバメになりたい あの空で