『華氏119』観ました。
旧作につき、ネタバレ含みます。
アポなしドキュメンタリーで有名な映画監督・マイケル・ムーアが、
ドナルド・トランプを大統領にしたアメリカの問題点を最近の取材を中心にまとめた作品です。
外国人からしてみれば、なぜドナルド・トランプみたいな人間が国の代表になれるのか不思議でしょうがないけども、
その背景の一端がわかるドキュメンタリーです。
まあ、日本の代表も問題だらけなのにいまだに在職中だから、
政治はほんとにミステリーですな・・・
ミシガン州のフリントの話はショッキングすぎた・・・
ゲートウェイの社長だった元ビジネスマンの市長が、ビジネスパーソンが儲かるためだけに不要なパイプラインを敷いて、
今まで安全だった水道水を鉛で汚染された川から引くようにしたという話。
鉛やその他の細菌で亡くなる人も出ているのに行政はなにもしない、というか、自分が犯人だしな・・・
そんな映画みたいな悪者、ほんまにこの世にいるのかよ・・・
市民が抗議に訪れた際、
「市民が抗議に来ています」と上司に連絡した受付係が
「武器は所持しているか」と聞かれて、
「マイケル・ムーアがいます」と答えるの、ウケたw
武器扱いww
酷い話もいっぱいあるけど、希望として、声を上げている人たちへのインタビューもあってよかった。
相次ぐ銃の乱射事件によってアメリカ史上最大の抗議デモを起こした若者たち、
もともと待遇が良くないのに自己負担の多い保険に加入を強いられる教員と学校職員の人たちが待遇の改善を求めてデモをした話。
民主主義は、民がいなければ成り立たない。
国民みんなが政治にうんざりして参加しなくなったらおしまい。
同じ人間を当選させつづけて変化を期待するのはおかしな話で、
対抗馬がいないというなら自分が!と出馬して、
見事当選を果たしたオカシオ=コルテス議員のインタビューもありました。
人海戦術で、ふだん選挙に行かない層への取り込みに成功したとのこと。
まあ、ほんとうの選挙ってそういうものだよね・・・
あの大統領やその取り巻き連中はなにか批判されたりするたびに、
「私たちは〇〇としている」と問題意識を一般化しようとするけど、
それって誰のことなんだ。
自分たちはふつうのアメリカ人代表だと言いたいんですが、
そういうときのアメリカ人ってだいたい白人男性のことなんだよね・・・
もともとが大量の移民ではじまったこのアメリカという国。
マイケル・ムーア監督が“本来のアメリカ人”はリベラルなはずと訴えます。
実はアメリカ人の70%は銃を持ってないし、
どちらかといえば左寄りで、同性婚を認めて、好きな宗教を信じ、
移民を歓迎していると。
憲法で保障された個人の自由を大事にしているはず。
なのになぜ今、愚かなヘイトスピーチを繰り返すような大統領が、
“真のアメリカ人”とか名乗って表に立っているのか。
それをひとりひとりがちゃんと考えないといけないのだ・・・
これは日本でも全然他人事ではないね。
問題を起こした張本人でも辞めさせることもできないとはね・・・
そもそも問題あるやつを選ぶなって話なんだが。
はらわたが煮えくり返るような話もいっぱいあるけど、
それでもこういう映画をつくってみんなに見せる映画監督もいるというのは、
本来のアメリカの強みかなと思った、
へっぽこハンターコトワでした。
(`・ω・´)ゞ