これが現実・・・ | へっぽこハンター日記

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新米ハンターのコトワがハンティングした音楽、映画、書物や芸術一般について語ります。

『ジョジョ・ラビット』観ました。

公開中につき、ネタバレなしでいこうと思いますが、

察する人は察するかもしれないので未見の方はご注意ください。

 

1940年代のドイツ、10歳の少年ジョジョ(ローマン・グリフィン・デイヴィス)はナチスの親衛隊に憧れ、

想像上の友達・ヒットラー(タイカ・ワイティティ)とともにユーゲントのサマーキャンプに参加。

しかし、ウサギを殺せという指導官の指示に従えなかったことから、

“ジョジョ・ラビット”というあだ名をつけられてしまいます。

 

臆病者と思われたくない彼でしたが、今は亡き姉の部屋の壁から音がして、

おびえながらも覗いてみると、壁の隙間に少女エルサ(トーマサイン・マッケンジー)がいました。

彼女はユダヤ人で、ジョジョの母ロージー(スカーレット・ヨハンソン)がそこにかくまっていたのでした・・・

 

 

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ジョジョがふんわり想像している戦争とか差別の世界をポップに描くユーモラスな前半と、

現実の戦争やそれに伴う恐怖や悲しみに気づくシリアスな後半との振れ幅がすごい映画でした。

 

その前半と後半の境目になる出来事がつらくてつらくてつらくて・・・

 

正直、めちゃくちゃつらすぎて、それがずっと引っかかってしまって・・・

 

話の流れとして、必要なこととは思うんですよ、

そうでなければジョジョはそのままヒトラー・ユーゲントとして出兵していたかもしれない。

彼にはこのままではいけないと心底気づく必要があったと。

そして、それにいたる伏線もちゃんと前半にある。

でも、それでも、つらすぎた・・・

これが、現実・・・

 

『ライフ・イズ・ビューティフル』と引き合いに出されることがけっこうあったようですが、

僕は『少年H』を思い出しました。

いや、あの、全然内容は違いますけどね、なんとなく・・・

 

 

ジョジョを演じるローマンくんも素晴らしかったですが、

脇を固める俳優陣も素晴らしかった。

強烈なキャラクターのジョジョの母のスカヨハ、

指導教官のサム・ロックウェル、ほんまによかった。

 

ホンモノのヒットラーは全く登場せず、

ジョジョの想像上の友達としてコミカルな言動ばかりするヒットラーをタイカ・ワイティティ監督自身が怪演してたのもおもしろかった。

 

なぜヒットラー役を?と聞かれて、

ユダヤ系のニュージーランド人の自分が演じるの、差別主義者のやつには最高の侮辱だろ?って。

ユーモアで色付けしつつも、がっちり反骨精神があってさ。

さすがだなーって思ったよ。

 

とかなんとか書いてるけども、この映画のショックから立ち直れそうにない、

へっぽこハンターコトワでした。

 

楽しい戦争映画なんかあるわけないんだ・・・

それが現実・・・

(´;ω;`)ウゥゥ