2/09 はやみねかおる「タイトル未定(夢水清志郎の新シリーズ)」(講談社青い鳥文庫)

2/10 竹内真「自転車少年記 12歳の助走」(河出書房新社)

2/12 貴志祐介「ダーク・ゾーン」(祥伝社)

2/15 桐野夏生「ポリティコン(上)(下)」(文藝春秋)

2/17 絲山秋子「末裔」(講談社)

2/18 三木笙子「人形遣いの影盗み」(東京創元社)

2/18 道尾秀介「カササギたちの四季」(光文社)

中旬 東川篤哉「放課後はミステリーとともに」(実業之日本社)

2/23 嶽本野ばら「金脈」(小学館)

2/25 中島京子「花桃実桃」(中央公論新社)

2/25 小川洋子「人質の朗読会」(中央公論新社)

2/25 樋口有介「刑事さん、さようなら」(中央公論新社)

2/25 宮部みゆき「ばんば憑き」(角川書店)

2/25 北村薫「いとま申して「童話」の人びと」(文藝春秋)

2/25 千早茜「からまる」(角川書店)

2/25 畑野智美「国道沿いのファミレス」(集英社)

2/26 飴村行「爛れた闇の帝国」(角川書店)

2/28 辻村深月「本日は大安なり」(角川書店)

[ノミネート作品]

貴志祐介「悪の教典」

百田尚樹「錨を上げよ」

夏川草介「神様のカルテ2」

有川浩「キケン」

梓崎優「叫びと祈り」

奥泉光「シューマンの指」

有川浩「ストーリー・セラー」

東川篤哉「謎解きはディナーのあとで」

窪美澄「ふがいない僕は空を見た」

森見登美彦「ペンギン・ハイウェイ」


本屋大賞の特徴といえば、


既にそこそこのキャリアがあり売れてる作家さんは受賞しにくい

文学賞を受賞している作家には票が集まらない


なのでこの法則を利用すれば、「悪の教典」、有川さんの二作品(まずそれ以前に同じ作家さんで二作ノミネートとなると票が分散するでしょうね)、「ペンギン・ハイウェイ」は除けますね。

根強い人気を誇る森見さんも「夜は短し~」の時に比べたら、その爆発的人気も落ち着いた感があるので。

貴志さんは恒例の年末に行われるミステリのアレで、もう有名になっちゃったので、もう良いでしょう。


そして、マイナーすぎても票が集まりにくいので


梓崎さんと窪さんは除けます。

梓崎さんの作品はとても新人とは思えない力作ミステリなんですが、やっぱりミステリファンの票しか集まらないと思うので、その辺りは不利ですね。

窪さんの作品は、今回のノミネート作品の内で唯一知らない作品でした。

一部に熱狂的なファンがいるらしいですね。


となると、残ったのは四作品なんですが、奥泉さんはちょっと一位になるには一般的な知名度が足りないかな・・・・・・と。傑作が多いので、奥泉さんの作品はもっと広く読まれて欲しいんですけどね。

残った3作品はどれも甲乙つけがたいですね。

「神様のカルテ」は1が去年の二位だったことを思うと、去年以上のゴリ押しで一位に上がってくるとは思えないし、そこそこ話題になった感があるので、もう今更2作目に賞をあげる必要もないだろう、ということで、これも外します。


百田さんはそろそろこういう賞でもとって、グーンと知名度をあげてもいいんじゃないか、と思えるほど良作を書き続けている作家さんなんですよね。

今回の「錨を上げよ」も結構な力作で、受賞に値する作品だとは思うんですよね。

ただ発売からまだそれほど日が経っていないのは少し不利ですかね。

「謎解きはディナーのあとで」は結構去年売れたような気がするので、この勢いでいっちゃうかなあ、と。

本屋にいっても、結構な高さで積まれていましたからね。

読みやすさとか手に取りやすさという意味では「錨を上げよ」に勝りますから、東川さんがとっちゃうかなあと思います。

過去の本屋大賞を見ても、そこそこの長さの作品のほうが受賞しやすい傾向があるんですよね。

「一瞬の風になれ」は例外とはいっても、作品自体は青春ストーリーかつスポーツ系とかなり読みやすいものですからね。

それに対して「錨を上げよ」は分厚いし、しかもそれが二冊となっては、過去の傾向から見れば受賞は難しいかもしれないです。

一方、「謎解きはディナーのあとで」はそれほど長くもなく、ジャンルはミステリながら決してガチガチの本格ではないユーモアミステリ。それでいてトリックはしっかりしてるし、人物のキャラも立っている、となれば結構条件をみたしている気がするんですがね・・・・・・。


というわけで、受賞作予想は東川さんの「謎解きはディナーのあとで」です。


第1試合 キャプテン渡辺 VS COWCOW山田與志

第2試合 AMEMIYA VS キムラ・ケブラーダ

第3試合 ナオユキ VS ノイズ真栄田

第4試合 佐久間一行 VS ヒューマン中村


[第1試合]

キャプテン渡辺は各所で結構好評のようですね。

ただ、相手が悪すぎ。

山田與志は優勝候補と言っても過言ではないと思うので・・・・・・。

三本のネタを披露するため、飽きないというのではキャプテン渡辺のほうが上回っているとおもうんですが、一本目のインパクトだと絶対山田與志だろうなあ・・・・・・。

というわけで、ここは山田與志が勝ち上がるでしょう。


[第2試合]

AMEMIYAはあらびき団で見たことがあるのですが、初めて見たときのインパクトはすごかったです。

ビジュアル的なインパクトではなく、もう「冷やし中華はじめました」のフレーズが頭から離れないような強い印象が残りました。

ただ、AMEMIYAもあの形式のネタを三本だと無理でしょう。

そうなると、漫談形式(かと思うんですが・・・・・・)の木村さんの方が上でしょう。

意外に木村さんが爆笑をかっさらうような気がするので、ここは木村さんので・・・・・・。


[第3試合]

ナオユキは安定した漫談で、三本披露するという今大会のシステムには最も適合している芸人と言えるでしょう。

対する真栄田はM-1ファイナリストということもあって、多少審査の目も厳しくなるかと思うんですが、でもやっぱりあの独特の間がハマっちゃうと怖いんですよね。

ピンでもあれほどの爆発を起こせるのかは全く分からないんですが、一応期待をこめてここはナオユキが勝ち上がると予想します。


[第4試合]

ヒューマン中村って知らないんですが、どんなネタをするんでしょうか。

ダークホースとなれるんでしょうかね。

佐久間一行のネタはオンバトで何回も見て、その安定度が分かっているので、ここは佐久間一行でしょう。

ネタのストックもあるでしょうし、三本見せても飽きられないでしょう。


というわけで、準決勝は


COWCOW山田與志 VS キムラ・ケブラーダ

ナオユキ VS 佐久間一行


になると予想。


山田與志と木村さんだと、ここはもう絶対山田與志でしょう。

ナオユキと佐久間一行はどちらも実力派芸人で、微妙なんですが、佐久間一行かな・・・・・・と。

結構ここは本気で迷ったんですが、爆発力という意味で佐久間一行を選びました。


決勝はさすがに飽きられ始めた山田與志に対して、ネタのストックがある佐久間一行ということで、優勝は佐久間一行という少し攻め気味の予想にしてみました。

ナオユキも捨て難いんですがね・・・・・・。


ずっとニコ動の受賞者記者会見中継を見てます……。
芥川賞決定時にはさすがに驚きましたね。
受賞者ですが、

[芥川賞]
朝吹真理子「きことわ」
西村賢太「苦役列車」

[直木賞]
木内昇「漂砂のうたう」
道尾秀介「月と蟹」

芥川賞は納得と驚きが半分ずつですね。
朝吹さんは最初から圧倒的な支持を得て決定したみたいです。
そして、残りのポイントを西村さんが集めてのW受賞となったようです。
朝吹さんはだいたいどこを見ても、受賞の最有力者とされていたようで、納得の結果ですね。
多分、朝吹さんは今回受賞しなくとも、いずれは注目を集めていくようになるだろうとは思うので、今回の受賞は時期尚早かなとも思ったのですが、若い才能が注目を集めることは、やはり必要ですよね。
対して、朝吹さんの経歴と真逆の西村さんは、まさか受賞するとは思わなかった。
才能はあるとおもうんですが、芥川賞に不向きな作風であったので、何回か候補に挙がっていたのですが、毎回受賞は難しいだろうなあと思っていたのに、今回まさかの受賞。
ほんとに嬉しいですね、この結果は。
中毒性が高い作品だけに、とにかく多くの人に読んで欲しかったので。
そして、受賞作の二つとも新潮掲載なんですね。
また、受賞作の発表も芥川賞はかなり早く、すんなり決まったんでしょうね。


直木賞は大方の予想通り。
道尾さんなんかは、もう直木賞狙いとしか思えないような作品。
とはいえ、クオリティは高いので、当然受賞はあるだろうと思っていました。
何より、文春出版だったので。
とにかくようやくの受賞ということで嬉しいです。
木内さんはまだ著作も少ない中での受賞。
時代小説を書かれる作家さんのようで、早速受賞作を図書館に予約しました。
少し個性的な時代小説であるようで、今から読むのが楽しみ。
直木賞も、芥川賞ほどではないですが、決まるのが早かったようです。

そして、受賞者の対比も面白いですね。

朝吹真理子(経歴が華やか)
×
西村賢太(壮絶な人生)

道尾秀介(史上最多の連続候補でようやくの受賞)
×
木内昇(著作も少ない中、初候補で受賞)

とにかく、総じて今回の芥川賞・直木賞については満足のいく結果でした。

[芥川賞候補作]

朝吹真理子「きことわ」(新潮9月号)

小谷野敦「母子寮前」(文學界9月号)

田中慎弥「第三紀層の魚」(すばる12月号)

西村賢太「苦役列車」(新潮12月号)

穂高川洋三「あぶらびれ」(文學界11月号)


相変わらず芥川賞候補作については全く分かりませんで……。

知ってる人も、田中さんと西村さんだけで。

個人的には西村さんが大好きなので、是非とも受賞してもらいたいんですが、何となく今回も無理だろうなあ、と。

調べてみたら、朝吹さんは女子大生作家らしく、しかもなかなか評判がいい。

思い切って朝吹さんに受賞させることもあるかもしれないですね。


[直木賞候補作]

△犬飼六岐「蛻」(講談社)

○荻原浩「砂の王国」(講談社)

△木内昇「漂砂のうたう」(集英社)

○貴志祐介「悪の教典」(文藝春秋)

◎道尾秀介「月と蟹」(文藝春秋)


名前を知らない作家さんが二人……。

調べてみると、どちらも時代小説を書かれる方。

なるほど、知らないわけだ。

この二人は、様子見ということで大穴扱いとしました。

やっぱり最有力は道尾さんでしょう。

従来のミステリ路線を踏まえた純文学寄りの作品。

更に、文藝春秋刊というプラスアルファもあり、もう完璧でしょう。

五度目の正直は確実かと。

貴志さんは年末の「このミス」などでは、話題をかっさらいましたが、果たしてこういう文学賞でも同じようにいくのか、というとそうでもないと思うんですよね……。

万人に受け入れられやすいエンタメである分、頭の固い一部の審査員の方々には受け入れられない気が。

荻原さんは宗教団体を扱った大作での候補。

でも、やっぱり貴志さんと同じ理由で少し厳しいか……。

審査員の意見が一致しそうな作品って、この中じゃ「月と蟹」くらいしかないんですよね……。

というわけで、今度こそ道尾さんでしょう。