【第4章 プレイヤーおよび装備】
第2条番号の規制=相手を混乱させる目的で、試合中に番号を変えてはならない(e項)。人数が少なく、試合中にライン番号のプレイヤーが4人しかいなくなったりした場合のみジャージをライン番号に着替えることで、試合にラインとして参加することができます。その場合には当該試合中は一度変えた番号から元の番号への再変更はできません。
第4条必要な装備=装具には安全性を低下させるような手が加えられていてはならない(本文)。時折ニーバッドやヒップパッドを小さくしていたり、動き易いように改造しているプレイヤーがいますが、これは「不正な装備」になります。パッド類は購入さた状態のまま使用してください。
ニーバッドは膝がどのような状態(膝を曲げた時など)でも、完全に膝が覆われていなければなりません(a項)。レシーバーやDBなどでパンツを短く履いているプレイヤーを見かけます。アメフトのルールはプレイヤーの安全を第一に考えられています。膝が出ることで自身は動き易くなるのでしょうが、怪我をするのもプレイヤー自身であることをよく考えて下さい。
第5条不正な装備=ヘルメットの下の頭部にバンダナを着けることは差し支えありませんが、バンダナの一部がヘルメットの外側に露出してはいけません(q項)。タオルを頭に巻いてその上からヘルメットを装着しているケースがありますが、この場合もバンダナと同じ扱いになります。
09春のシーズンまで、あと3ヶ月となりました。審判、プレイヤー、コーチングスタッフ、ベンチスタッフそして観客の皆さんのためにも、最新ルールブックのおさらいをしましょう。すべての項目を列挙するのではなく、各篇の覚えておくべき項目をピックアップしていきます。

【第1篇第1章 一般事項】
第5条チームキャプテン=チームキャプテンは最大4人まで申告できます。この最大4人がコイントスに参加できます。また、試合中に審判と話ができるのは申告されたキャプテンのうち1人だけです(a項)。コイントスで選択権が与えられた際にフィールドキャプテンが行った最初の選択は変更できません(b項)。コイントスの選択は①前半のレシーブ②前半のフィールド(前半のキック)③後半の選択権の3種類です。最初に②を選んでしまうと後半の選択権は相手チームに与えられますので注意が必要ですね。

【第2章 フィールド】
第4条チームエリアとコーチングボックス=チームエリアのうち両25ヤードライン間のサイドラインから6フィート(約2ヤード)外側で、その6フィート(同)後方までがコーチングボックスです。手前のラインからサイドラインの間はコーチ、プレイヤーともダウン中には立ち入ることはできません。逆に言えばダウンとダウンの間であれば入っても構わないのです。プレイヤーもコーチングボックスに入っても構いませんが、試合中どうしても前に出てプレイを見がちになるので、コーチングボックス後方のラインから後ろに待機させておく方が無難でしょう。また、このチームエリアには各競技団体に届け出たプレイヤー、コーチ、スタッフ以外は立ち入りできません。例えローカルグランドでもOBなどはチームエリア外での観戦をお願いします。

【第3章 ボール】
第1条規格=ボールは新品もしくはそれに近い状態のものであることが必要です(a項)。またボールに付いている2本の白いラインも必須です(e項)。どうしても新品のボールが用意できない場合でも、この白いラインは付けておきましょう。空気圧は10~13.5ポンド/平方インチあることが必要です(g項)。中には空気を入れるゴムの部分から空気が漏れるボールがあります。試合中に空気圧が変わってしまう(空気が抜けてしまう)ボールは使用できません。

さて、攻撃側が第4ダウンでパントを蹴りました。ボールはレシーブチームがキャッチすることなく、グランド上を転がっていきます。少し勢いが強いようで、キック側のカバーチームが急いでボールを追いかけています。ゴール前1yd付近でバウンドしたこのボールが、エンドゾーン内の空中でキック側のプレイヤーによってゴールライン手前側にバッティングされました。ボールはゴール前3yd地点で他のキック側のプレイヤーが押さえました。バッティングしたのはエンドゾーン内でしたが、ボールはエンドゾーンのグランドにはタッチしていません。


あなたが審判で、このプレイの結果を判断しなければならないとしたら、どうしますか?


通常スクリメージキックやフリーキックが誰もキャッチやタッチをしないままエンドゾーンの中のグランドにタッチすれば、そこでタッチバックになります。しかし、この場合にはエンドゾーン内のグランドにはボールはタッチしていません。バッティングはキック側の後方に向かってされていますので、「バイオレーション」にはなりますが、距離罰則ではありません。エンドゾーン内ではどの方向に対してもバッティングできませんが、空中であった場合にはエンドゾーン内での不正なバッティングにはなりません。


正解は「タッチバック」なのです。


エンドゾーンのグランドにタッチしていないのだから、ボールはインプレイではないか、バッティングは不正ではないのだから押さえた3yd地点が次の攻撃の開始地点ではないのか、という疑問がわきますね。


ルールブックの第6篇3章11条に「ニュートラルゾーンを越えた後にBチーム(レシーブ側)がタッチしていないスクリメージキックをAチーム(キック側)のプレイヤーがBチームのエンドゾーンでバッティングした場合は、バイオレーションであり、Bチームはボールがデッドを宣告された時にタッチバックを選択できる」とあります。

ここでいう「エンドゾーン内」とは、上記の通り、エンドゾーンのグランドに一度でもタッチしていればタッチバックになるわけですから、空中にある間という解釈になるわけです。


ナイスプレイになるか、追いつかずにタッチバックになってしまうか、この十数ヤードは大きな違いになってしまうことになるのです。

オフシーズンの話題作りとして、スクリメージキックに対するキック側のバッティングについて解説します。

攻撃側が3回の攻撃で10ヤード進めずに攻撃権を放棄する代わりに陣地を挽回するのが、第4ダウンでのパントです。アメフトは一種の陣取りゲームですから、陣地を挽回するなら、少しでも相手のゴールに近い所までボールを転がしたいということになります。もちろん守備側はこのパントをキャッチして前進することが可能ですが、そのプレイ中にボールをファンブルしてしまう恐れもあるわけです。ただし、蹴ったパントが相手のエンドゾーンに入ってしまえば、タッチバックとなってせっかく相手をゴール前まで追い詰められる所をみすみす20ヤード地点から攻撃させてしまうことになってしまいます。
そこでキック側は転がっているボールを少しでも相手ゴールに近づけようと、ボールを囲んでその動きを追うことになります。転がっているボールに勢いがある場合、キック側はそれがエンドゾーンに入らないようにボールにタッチして止めなければならなくなります。

スクリメージキックにキック側がタッチすることは、ルール上では反則です。ただし距離罰退を伴わない「バイオレーション」と呼ばれる反則です。このタッチがあってもボールはデッドとはならず、インプレイのままとなります。そして、最終的にボールが止まった位置と「不正なタッチ」があった位置のうち、レシーブ側に有利な位置をレシーブ側が選択できます。キック側は相手のエンドゾーンにボールが入る前にボールにタッチしてボールを止めようとするわけですが、勢いが強い場合にはボールを叩いて(バッティングして)エンドゾーンに入らないようにすることがあります。
ルースボール(この場合はスクリメージキックが転がっている場合)は、インフィールドでは自身が攻めている前方へ、エンドゾーン内ではどの方向へもバッティングすることができません(ルールブック第9篇4章1条のc)。逆に言えばスクリメージキック側はエンドゾーン内にボールが入らないように自身の攻めている後方へはバッティングできるわけです。キック側はこれでできるだけ相手陣のゴールラインに近いところでボールを止めようとすることになります。

パントがゴールライン手前数ヤードのところで止まるか、タッチバックになるかでは、次に守る側にとっては条件がかなり異なることになります。

次の項では、タッチバックかナイスパントかの分かれ目となるバッティングについてご説明しましょう。