ホースさんからコメントでご質問のあったプレーについて、解説します。
これは私のルームの一番下にある「トリックプレイ」という「Y-TUBE」から見ることができます。
プレーの概要は以下の通りです
キックオフ後の最初のプレー。レディフォープレイのコールは主審からされており、両チームがセットしています。
1.オフェンスのセンターが、ゆっくりと立ってQBにボール渡します。
2.QBはそのボールを掲げながら、自分のベンチに向かって「ボールを交換してくれ」というように歩いていきます。
3.そのまま自分サイドのベンチに向かい、タックルの位置を過ぎたあたりで、急にダウンフィールドに向かって走り出します。
4.ディフェンスがあっけにとられている間にQBはそのまま独走、タッチダウンとなります。
連続してみるとこうなります
これに対してホースさんから以下のようなご質問をいただきました
フリーフリッカーやキャッチアンドピッチは分かるのですが、Cの股を通さずにQBがサイドライン方向に歩きTDしてしまう映像がありますがコレはOKなんですか?
アンスポーツマンシップのパーソナルファールはもらわないんですか?
以前、NFLを見ていてスパイクフェイクのTDパスを見ましたがアンスポーツマンを取られたような。それと、ホームチームの声援がうるさすぎてチームに罰退させたのを見たことがあります。
アンスポーツマンやこのようなルールの定義はあるのでしょうか?
プロとアマチュアではルールも違うと思いますが教えていただけないでしょうか?
ってことで、ルールブックを紐解いてみました。
NFLとは若干ルールが違うので、NCAAのルールから見てみましょう。
まず「スナップ」の定義です。「スナップ」とは「片手または両手による迅速かつ連続的な動作で、グランド上の地点からボールを後方へ手渡しあるいはパスすること」とあります。上のプレイでは、この条件はクリアされています。
次にホースさんの疑問点「Cの股間を通さなくてよいのか」という点ですが、定義によれば「必ずしもスナッパーの両脚の間からなされる必要はない」となっていますので、これもOKということになります。
続いての疑問点「アンスポーツマンにはならないのか」についてです。
ルールでいう「アンスポーツマン・ライク・コンダクト」いわゆる「スポーツマンらしからぬ行為」は、直接アメフトの競技に伴わないような行為(プレイに関係ない暴力行為や相手を口汚くののしる、など)について制限を設けたものです。このプレイはそういう意味ではアメフトのプレイとして成立しているので、この反則の適用は難しいでしょう。
ただ、「ひきょうな戦術」というルールで規制されたものはあります。ルールでは「公式規則には規定されていないが、明らかにひきょうな行為」と定義されており、このプレイでQBがボールをCから受け取り、自分のサイドに向かっている時に、そのチームエリア内にいるボールパーソンが、グランドに向かって「ボールを交換します」とでもいうように何度もボールを上げ下げしているところが映っています。
あえて反則の種(?)を見つけるとしたら、この一連の行為が「ひきょうな戦術」にあたるものなのかもしれません。
審判としては、ボール交換を希望していたなら、Cがこういう形でボールを動かした時点でプレイを止めなくてはならないでしょうね。ただし、試合前にこういうプレイがあるという申告をチームから受けていれば、正当なプレイになります。
主審がレディ・フォー・プレイを宣告している以上、次のホイッスルが鳴るまではインプレイですから、ホイッスルが吹かれなければ、このタッチダウンは成立ということになります。
最近のライスボウルで立命館のQB高田がショットガンでセット、ベンチから指示らしき声がかかり、高田がベンチに向かって「なんですか?」とばかりに耳に手を当てた瞬間にセットバックにスナップされたというプレイがありました。「なんですかスナップ」(笑)と言っていますが、これも一種のトリックプレイと言えるでしょう。
ホースさんのその他の疑問点については、別項で解説しましょう