毎年少しずつ改定されるアメフトのルールですが、今年もいくつかの変更があります。
春のシーズンには適用されませんが、秋に向けて今のうちから対応するためにも、今季予定されているルール改定について解説しておきます。ただし、正式決定が夏頃になるので、全部が全部施行されるわけではありませんので、あらかじめご了解ください。
1.サインの撮影の禁止
スカウティングなどでフィールドのプレイを撮影することはままあります。対戦相手の研究のためにも「準備のスポーツ」と呼ばれるアメフトでは、必須の情報収集手段といえるでしょう。従来はこういった撮影にベンチからフィールドに向かって出されるサインを撮影することは禁止されていませんでした。日本ではそこまでの分析を行っているチームというのはあまり聞いたことがありません。アメリカならではのスカウティング方法なのでしょうが、これが今季からは禁止になります。もっとも、それをどうやって証明するのか、証明されたらどのようなペナルティになるのか等々、不明な点は多い改定ではあります。
2.チョップブロックの定義の変更
2人のブロッカーによるハイ/ロー、ロー/ハイ、ロー/ローのコンビネーションブロックはブロックされた側に重大な損傷を与える可能性のある危険行為です。従来はこのブロックに関して「最初のブロッカーから離れるか離れた直後に行われる」もしくは「互いに隣接していない2人のラインマンによってニュートラルゾーンで行われる」、「ニュートラルゾーンを越えた地点で行われる」場合に適用されていました。つまり隣接しているCとG(GとT、TとEでもOK)が行えばこれまでは正当なブロックであったわけです。これが今季からはブロックする地点や時間等による規定がなくなり、フィールド上のどこであっても反則とみなされることになります。
3.フィールドゴール、TFPキック時のティの使用の禁止
通称「かまぼこ」のFG用のキックティが使えなくなります。
4.キック・ティの規格の変更
キックオフで使用するキック・ティの高さが従来のボールの最下端から2インチ(約5cm)から1インチ(約2.5cm)になります。
5.不用意なホイッスル時の計時調整の廃止
プレイ中に不用意なホイッスルが吹かれ、ダウンが繰り返される場合に、昨年のルール変更で計時を前の表示に戻すことになっていましたが、これが06年までの計時を戻さないという規則に戻ります。
6.キックオフの時の25秒計の計時開始
試合開始や得点後、後半開始のキックオフでは、これまでは審判全員の準備ができていることを確認したRがレディフォープレイの笛を吹き、25秒計の計時を開始していました。レシーブ側のハドルが時間がかかったり、キッカーがもたもたしていた場合には、それを待ってからの笛というのが一般的でした。今季からはUがキッカーにボールを渡したことをRが確認次第、レディフォープレイを行い25秒計の計時を開始することになります。テキパキと試合を進めることが目的でしょうが、多少の猶予はありかな、とは考えています。
7.ショルダーパッド、襟首を掴むタックルの禁止
これまでは首付近へのハイタックルなど、ボールキャリアへの身体的な危険が想定されるタックル以外には規制はありませんでした。今季からはボールキャリアのショルダーパッドや襟首を掴むタックルが禁止となります。
8.フェイスマスクの罰則変更
これまで偶然に相手のフェイスマスクを掴んだ場合には5ydsの罰退の反則でした。今季からは「偶然掴んだ」場合はフェイスマスクの反則ではなくなります。15ydsのメジャーペナルティである「フェイスマスクまたはヘルメットの開口部を掴んでひねる、あるいは引く」のみの判定となります。ただし、偶然つかんだ場合でも「手の不正使用」などの反則になる場合がありますので、注意が必要です。
9.危険なタックルの定義の変更
ヘルメットを使用した相手への突き当たりは、主に「スピアリング」として危険なタックルとされてきました。今季からはヘルメットの頂点から相手に当たりにいき、かつ頂点で相手を狙い撃ちすることを「スピアリング」と定義することになります。同時に前項でも述べました無防備の相手の首またはその上に対して接触が始まり、狙い撃ちすることも禁止になります。もちろん「不必要な乱暴行為」は今後とも厳に慎むべき行為ですし、ヘルメットから相手に向かっていっても「避ける努力」はプレイヤー自身が励行すべきことでもあります。
10.サイドラインの妨害に対する警告の廃止
サイドラインのコーチやプレイヤーが自チームエリア内の定められたゾーンより前方に出てきたり、チームエリアを離れて指示したりすることは「サイドラインウォーニング」として2回の警告の後、3回目からが「ゲームの遅延」の反則(5yds罰退)、4回目以降は「スポーツマンらしからぬ行為」(15yds罰退)として処理されてきました。今季からはこの警告がなくなります。1回目と2回目が「ゲームの遅延」、3回目以降が「スポーツマンらしからぬ行為」として反則となります。ベンチワークにも注意が必要になります。
つまらない反則でせっかくのゲインやナイスタックルを帳消しにしないように、平素の練習から新しいルールを頭に入れていてください。もちろん、これらの項目に関する以外でも質問は大歓迎です。コメント欄でまずいようならプチメででもご質問ください。