イギリスで仕事をし始めてから、ずーっと苦手な事がある。
それは退職していくスタッフ、誕生日、引っ越し、結婚、病気、入院、身内を亡くした時などスタッフに送るカードに書くメッセージである。

語学力がないから、感動させるような内容が長々と書けない。
全くもって自分の勉強不足と分かっていて怠けた自分のせいである。
どうしても書きたい内容があり、まとまらない時は夫か娘に助けてもらうが、毎回時間がかかる。

来週月曜日は前の職場で1年半、今の職場で1年一緒に働いた同僚が辞める。
同僚とは言え、彼女の母親と私は4歳しか違わない。
娘のような年齢の彼女を育て、今の職場に共に来た。
それだけに月曜日は必ず涙ありの最後となる。
とは言え、彼女は今の職場の2つ隣の店に就職したから、いつでも顔を見れるのであるが…
話せば言葉は出てきて、書くとペンが止まる。

娘が中学に入り授業でスペイン語をやっている。
今年で3年目になるが、先日宿題でスペイン語で10分間喋るのを宿題専用サイトに録音するというのを私の隣でやっていて、紙も何も見ずにしゃべっていたから録音後「あんた、凄いな」と言った。
娘は「私はイギリス生まれ育ちの英語圏の人やから、スペイン語はお母さんが英語を習得するより遥かにラク。似てるとこあるから」と言った。

しかし娘によると、今年からスペイン語の先生がアイルランド出身の非常に強いアイルランド英語を話すスペイン語を教える先生であるから、去年まで習っていた先生が話していたスペイン語とまるで別物の言語に聞こえ、生徒が戸惑っているという。
幸い、トップクラスのスペイン語の生徒であるから、子供達がアイルランド訛りのスペイン語を理解するように慣れて行っている途中であると娘は言うが、それは正解なんか…と疑問はある。

まあしかし、スペイン語だって地方により訛りはあるかも知れないし、もしかしたら生徒が学んだスペイン語と前の先生の習得したスペイン語の地域が違うかもしれないし、私のスコットランド英語の友人がニューヨークのマクドナルドにバイトの面接に行ったら英語力を理由に受からなかったこともある。
英語と言えど1つに統一されていないし、柔軟に理解する力が付くと思えば有難い。

私にとって英語の壁は永遠なり。
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娘が持ち帰ったラズベリークリームチーズパイ…
これが、まあまあ旨かった。
何か…手作りのパイ生地をわざわざ作って数時間寝かせてから、また伸ばして…卵とバニラと生クリームを絶妙に混ぜて焼いて、カスタードタルトを作っていた手間をかけた美味しさと、クリームチーズに砂糖を混ぜて焼いただけでも美味しいならば、私はあの日頃の手間は何なのか…と笑ってしまった。

息子は9月から中学で調理実習が始まったが、まずは洗い物の仕方から習ったらしい。
聞いたとき、笑ってしまった。
洗い方て…
自分の使った食器を一切洗わない人材ばかりであるが、そんな家庭でお手伝いから知るような事から調理実習が始まり、翌年にパンとパイ作りを一年習うという飛躍…
どこの段階でゆで卵とか基礎的な知識を習うのかと思うが、多分それは無いのかもしれない。

製菓専門学校のような内容のものを手抜きバージョンで作るだけという、実に楽しい時間のような気がしてきた。
月2回あり、まるごと二段ケーキなども作ってくるが、考えてみたら月2回も子供が丸ごとケーキを食べて糖分の取りすぎなんじゃないのか?と考えたが、イギリス人なら月2回は少ないと思うから、まあ何というか…基礎的から始まり…みたいな事は考えられてもおらず、先生が作りたいものを作るか多分、先生が得意なものだけやるのかもしれない。
そう考えると、日本の調理実習は実によく考えられている。
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多分、アパレルファッション関係の店舗で働いている人なら一度は思うはずであるが、入荷した新商品を見て「こんなん誰が買うねん…」と思った経験があるはず。
しかし、そんな商品を必ず買う人というのがいて、人の好みの奥深さを知る。

デザイナーとは必ずしも売れる商品を作らない。
ほんまにこれ売れる思うて売り出したんか?
よう企画通ったな…と素人の私が思うデザインがあったりして、しかしそういう商品も、イギリス人には売れないが、スペイン語圏の観光客に売れたり、中国人観光客に売れたり、売っていて面白い。

今日はコートとセーターを売り場に出し、水着やTシャツは全て倉庫に眠らせた。
寒いからもう売れないし、ダウンコートが既に好調に売れ始めた。
水着を箱に入れながら、しかし尻の割れ目がかろうじて隠れるデザイン「ブラジリアン」というスタイルが、好調に売れた。
XLとLサイズは完売。
売れ残ったのはSとXSのみ。
あれを着た女達が世界中のホリデー先で尻80%を見せているのかと思うとXLの女の度胸はもう神様レベルなのかも知れない。
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去年一年、娘の学年で無かった調理実習が、またこの9月の新学期から始まる。
明日は早速、冷蔵パイ生地、生ラズベリー、クリームチーズ1パック、砂糖、バニラエッセンスを持っていかねばならない。
材料は家庭からの負担である。

先生は「家にあるもので」と生徒に言い、我が子は「お母さん、以上の材料ある?」と聞く。
あるか!
冷蔵パイ生地なんぞ、わざわざ目的なく買い置きすんのか?
生のラズベリーだって、腐るのが早い。
あったとして、せいぜいクリームチーズと砂糖、バニラエッセンスだけであろう。

娘に「冷凍パイ生地と冷凍ラズベリーやったらあかんて?」と聞いた。
娘は「あかんて。冷蔵やて念押しされた」と言う。
ほな、家にあるもんちゃうやんか…

娘に材料を聞きながら、何とも美味しくなさげな中途半端なもんが出来上がって家に持って帰ってくるんちゃうんか…と思ったが、口には出せるはずもない。
パイ生地を伸ばす道具も器もなく、手で広げるなら尚目を瞑ってしまいたくなる出来栄えではないか…

クリームチーズとラズベリーは混ぜてオーブンで焼くのだろうか、それともクリームチーズを入れて上にラズベリーを乗せるだけなんだろうか…
想像が膨らむ娘の調理実習。

一昨年の調理実習の先生は、材料を用意出来ない児童は見学であった。
1年間、一度も材料を持参しなかった児童が1人いたと娘から聞いた。
材料を持参しない児童は参加も出来なかった。
が、今年の先生は申し出制にしていて、家庭の事情で材料を持参出来ない児童は先生が材料をくれるらしい。

向こう1年、調理実習は月二回あり、今年の課題はパイ生地とパンらしい。
パンも作るとは、なかなか怖いもんを持ち帰るという試練が待っている。
別に13歳でパンやパイを作らずとも、もっと基本的な料理を教えるか、ダイエットコーラでも1日何本もそれしか飲まへんかったら身体に良くないよとか、食から作られる体について学ぶ方が、この国の肥満を減らす事にもなりそうであるが…
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今日はビーフストロガノフを作った。
私の個人的な意見であるが、出会うイギリス人で今までビーフストロガノフを知っていた人はいない。
義母も知らなかったが、義父だけはアメリカ料理ちゃうの?と言った。

私が10代から20代の頃、大阪は難波にロシア料理の店があり、私はそこで初めてビーフストロガノフとピロシキを食べた。
以後、今までビーフストロガノフの正式なものは結局トマトが入ってんのか入ってないんかがわからんまま今に至り、フランス料理など西洋料理のシェフは「トマトは入れへん」と言う。
トマト入りはアレンジらしいが、私がロシア料理屋で食べたのはトマト入りではなかった。

で、先日娘の友達のお母さんがロシア人であると知り、ビーフストロガノフはトマトを入れるんかどうか聞いてもらった。
お母さんは「好みで家庭による」と言った。
お母さんは「ビーフストロガノフは今のウクライナが発祥で、正式にはロシアが真似たと祖母のレシピ本に書いてある」らしい。
結局、トマトの正解がわからんままである。
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今の会社にいる16-18歳のアルバイトは、しかし今まで働いた中でダントツの使い物にならん集まりである。
そんな中に、一人だけ真面目な女の子がいる。
16歳で学校を卒業し、家計を支えるため3つのアルバイトを掛け持ちしている。
うち以外のバイトは、老人ホームのキッチンにて洗い物担当と、飲食店のやはり洗い物担当である。

今の会社はハイテクなのに、ある部分が恐ろしいまでに時代遅れで、その効率の悪さを本社の誰もが疑わない。
人事やレイアウトの責任者はまるでセンスがなく、おまけに働く人間が一生懸命働かない。
研修制度がないから研修期間もなく、研修マニュアルもないから誰も何も向上せず育たない。
それでいてハイテクなシステム導入だけして、肝心なスタッフは未経験の使えない人間だらけ。
結局、私のようなアパレル経験の長い年寄りが私のやり方でやる気のある人間にのみ研修して何とか今に至る。
それが一人しかいない。

私はこの真面目な女の子と共に10ヵ月働き、気がついた。
このままここにいたら、能力が付かない。
勿体ない。
ちゃんとした研修を受け、ちゃんとした接客ができる職場に行ったら、ものの1-2年でサービス業の人間としてそれなりになると言える。

今の会社には、私の前の職場から一緒にきた女の子がいる。
その子も前の職場で私が1年半徹底的に研修し、めちゃくちゃ仕事が出来る人材になった。
仕事が出来るからこそ、今の会社と今のスタッフの無能さが苦痛になってきた。

そんな中、2週間前に私の前の会社のエリアマネージャーから「店長と副店長に空きが出るから、戻らないか?」と連絡が来た。
私は今すぐには辞められないが、彼女を副店長に推薦した。
キャリアは短いが仕事は間違いない。
しかも1年半だけではあるが、前の職場にいたから経験者である。
私はエリアマネージャーに連絡した。

結局、店長は未経験の人が採用され、副店長は彼女に決まった。
ついでに、今の職場で唯一働き者の17歳も採用して欲しいとお願いした。
イギリスでは滅多に会えない真面目な働き者である。
ちゃんとした職場で育てたら、将来は必ずどこかで責任者になる子である。

唯一働き者の二人を手放すのは苦しい。
しかし私の会社やない。
いずれ私も今の職場を去ることになると思う。
再び前の職場に戻るかどうかはわからんが、今の会社にいるのはあまりに勿体ない。

これほどまでに、サボらない人材と巡り会うことの難しさを感じた事はない。
つまりは研修出来る能力のある人間、サボりを統括できる能力のある人間がいない会社だということ。
何故なら統括する人間には、サボる人間が見えないからである。
私は会社の役員でもないし、その責任もない。
ただ今は、今育てている20歳の男の子に自信が付くまで一緒にいてやりたい。
ババアの責任はそれだけである。
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カーライルの今年の夏は、本当に寒かった。
暑かった日が二回あったはずで、後は雨…。
そんな中、金曜日は奇跡の晴れ23度だった。

客はアイスクリームを食べながら買い物をする。
溶けかけたアイスクリームを舐めながら店に入ってくるから、私が売り場にいる時はお断りする。
アイスクリームが商品に落ち、売り物にならないアクシデントが何回かあったからである。
たいていは理解してくれるが、小さな子供持ちの母親世代は露骨に怒り店を出ていく。
子供連れなんだから…という母親独特の押し付けルール違反。
勘弁して欲しい。

母親が下着を見ていたら、7-8歳の女の子がブラジャーを試したいと言い出し、母親はそれに無反応。
6-7枚のブラジャーを女の子が試着室に持って入り、母親は終始無言で自分のものを試着。
母親は自分の試着したものは私に返却したが、女の子が試着したのは試着室の床に放置。
私は母親に「お子さんが持って入った下着は…?」と聞いた。
母親は「試着室なんじゃない?見たら?」と言いながら出た。

子供の数だけ母親がいて、そのやり方は全員違う。
常識って何なのか、躾、コミュニケーションて何なのか…
今日もわからないままに終わった。
救いなのは、イギリスでは失礼な客には丁寧にしなくて良いのが働きやすいポイントである。
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先日来ていた義兄の奥さんが、興味深い事を言っていた。
奥さんは子供の頃からずっといじめにあっていた。
発達障害があると知ったのは、特別学級教員資格を取るために勉強していた頃の事で、57歳の奥さんが子供の頃は発達障害という言葉すら無かった。

友達が出来ず、本やチェスに没頭した。
15歳の時に初めて出来た男の子の友達と親しくなり、16歳で出産。
その後は学校に戻り、大学で数学の博士号を取り数学教員になる。
長らく数学教員をしていたが、その中で出会う数学を理解出来ない児童に寄り添うにはどうしたら良いかと考え、特別支援クラスの教員になるために大学に入り直し、今に至る。

16歳で出産し子育てを通じて一人の友人が出来たという。
友達というものを持ちたくなかった奥さんに、その女性は程よい期間を空けて電話をしてきて、「最近会ってないからコーヒー行こうよ」と言ってきた。
理由を付けて断ると、いつなら良いかと聞いてくる。
そうやって気が進まず会っているうち、会うと楽しくなってきて、気がついたら何十年と友達になっていた。
その友達には感謝していると言っていた。

16歳で出産は早過ぎたと奥さんは言った。
しかし友達というものがいなかった為に、同年代の情報は少なく、孤独だとは感じなかったが、いじめられる事にはずっと嫌気が差していて、人が今でも苦手だと言っていた。
人に不快感を与えるのではないかと疑心暗鬼になり、人が嫌な気持ちになるのは自分のせいではないかと幼少期より心配していたから、なるべく人に関わらないようにしてきた一方で、奥さんは結婚と離婚を5、6回繰り返してきた。

私の中で、15、16歳で出産する女の子は髪を染め、タバコを吸い、先生に反抗し、滅多に学校にも来ない生徒で、少なくとも学年で5本の指に入るトップ成績の女の子ではなかった。
奥さんにそれを言うと、奥さんは笑った。
不思議な人が家族に増えた。
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当たり前かも知れないが、私は娘が可愛くてたまらない。
勿論、息子も可愛くてたまらない。

半年前、娘の学年にいるボス的存在の女の子が、娘の幼稚園から一緒の女の子と揉めた。
ボス的女子は禁じられている化粧、まつげのエクステ、爪、貴金属を身に付け登校し、いわゆるポピュラーガールと呼ばれる人気もあるが怒らせたら仕返しが怖いから、女子たちが一目おいている存在らしい。
ちなみに母親は同じ学校の教員。

で、揉めた女子というのは娘が幼稚園から一緒の問題女子で、こちらの母親も別の高校の教員。
その2人が揉めたが、ボス的女子が追い込み、悪質な嫌がらせが始まった。
助けたいが、手出しすると自分もやられる。
厄介な女の子らしい。

嫌がらせが家にまで付いてくるという行為になったから、やられていた女子の母親が遂に動いた。
母親は教員である。
すぐに連絡がついた。

ところが、ボス的女子の母親はもう我が娘に対するクレームには慣れているようで、「私にはどうする事も出来ないんですよ、離婚して父親もいないし、私にどうしろと?」と言った。
娘さんに言って聞かせる事は出来ないか?の質問に、「私の言うことは聞きませんから、話はしません」と投げた。
とまあ、こんな話が耳に入った。

私からしたら、どちらの娘も母親が共に教員で、多分忙しいのだとは思うが、それはスーパーでパートで働くお母さんだって同じな訳で、娘とどう時間を作り向き合ってきたかであって、離婚したから同級生を脅すんですとは別の話である。

お母さんに諦められた女の子は、化粧をして強さをまとい、下部役の同級生を引き連れて歩くしかないのだと50歳前のババアは見抜く。
まだ13歳、まだお母さんから可愛がられたい願望はあるはずで、お母さんも近寄らない、娘も近寄らない、そうして出来た溝が深くなりすぎたようにも感じる。
他人がとやかく言うこともないが、娘曰く、ボス的女子より厚化粧せなければ目はつけられないらしい。

今日も可愛いい娘は鎧を身に付け学校へ行く。
せめて弁当だけは頑張って作る。
子供の数だけ母親はいて、それは実に様々である。
娘は私に「私はお母さんの娘でラッキー。視野も心も狭いけど、何せ面白い」と言われた。
心が狭い事を見抜かれてイル…
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今日は娘の小学校からの友達のお母さんと朝8時にスタバで待ち合わせした。
今日から新学期が始まり、やっと朝8時から解放される。
とは言え、送迎地獄のイギリス子育てはまだ終わらず…

カーライル近郊のスターバックスはしかし空いている。
大抵、朝8:30位だと私一人で、10時くらいから人が1、2人だけ入ってくる。
しかし、隣にあるイギリス人大好きコスタコーヒーは、ほぼ満席…

先日、スターバックスとコスタの違いを検討する番組がやっていた。
イギリス人にダントツ人気のコスタコーヒーはイギリス人がこれぞコーヒーでしかるべきという味に対し、スターバックスはイギリス人には慣れていない味のコーヒーであるらしい。

私は仕事前に行くので、巨大アメリカンを飲む。
スターバックスの方がアメリカンに関しては、私は旨さを感じるが、番組によるとスターバックスのアメリカンはイギリス人には美味しいと感じる点が少ないらしい。
また、イギリスのスターバックスには、アメリカや日本のスターバックスのような食べ物のチョイスが少ないのにも理由があり、それは味に冒険しないイギリスでは売れないかららしい。

さて、味音痴のイギリス人が好むコーヒーであるから、果たして世界的にどっちが受け入れられるのか、知りたい所である。
しかしコスタコーヒーはイギリスでは絶大なのである。
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