~My memories~ 著:WILL -908ページ目

(20)~My memories~ 幸せの色2/2

『タクちゃん。私ね、向かいのピンク色の病室に行きたいの・・・』


『ピンク色・・・?どういうことだい・・・?』


『あのね・・・。』


『今わたしがいる、この病室のカーテンの色って水色でしょ・・・』


『ピンク色のカーテンの部屋にいる人は、みんな出産をした人や出産予定の人たちなんだって・・・』


『だから、ピンクは幸せな色なんだってことなのよね・・・』


『こっちは私のように出産できなかった人たちの部屋なんだ・・・』


『だから、水色なんだよね・・・。幸せじゃない色なんだと思うの・・・』
 

『だから、わたし・・・』


『絶対にあっちの部屋に行きたいんだ・・・』


私は堪えきれないほど、

込み上げてくる体の震えと、

涙を堪えて、


『そうだね。』


『大丈夫だ。すぐに子供作ろうな!』と、言った・・・。


その日を境に、

妻が私に言ったことに対して、

私が妻に疑問を問いかけたのは最後になった・・・。

若干20歳だった私でも、

限られた時間の存在に気がついたからだ。

つまらない問いかけをするよりも、

妻の望むことを全て受入れる

決断をした日でもあった・・・

そして、

私たちは退院後すぐに迷うことなく

20歳と22歳という若さで

不妊治療をしていくことになったのだ・・・

とても小さな力で支えあい・・・

7年間という、

短いようで永遠のように続く日々を、

走り出した・・・




幸せの色を求めて・・・



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