昨日に続き、今回も「世にも奇妙な物語 ‘24秋の特別編」のあらすじ・感想・考察

を書きたいと思います。

 

今回は「友引村」という物語について書きます。

 

【あらすじ】

藤崎凛(原菜乃華)、高橋壮真(水沢林太郎)、日比野ヤマト(丈太郎)の3人は、

東京の大学に通う学生で、仲良く過ごしていた。

 

いつもと変わらない日々を送っていたある日、ヤマトが亡くなったとの連絡が、

ヤマトの母親から入った。

 

2人は葬儀に参加するため、ヤマトが生まれ育った山奥にある「友引村」へ向かった。

 

そこは、奇妙な風習に従って葬儀が行われている村だった。

訪れた2人を見つけた村人は、2人を会場へ案内した。

 

すると、葬儀場では村人たちが踊り出し、何だか祭事のような雰囲気になっていた。

異様な光景とはいえそれが村の伝統的な儀式なのかと思っていると、

ヤマトの母である望美は、2人に顔を見てやってほしいと声をかけた。

 

壮真がヤマトに対面する一方、凛は顔を見ずにその場を離れてしまった。

実は、凛にはヤマトのことで秘密にしていることがあったのだが、

凛はそのことを壮真に話せずにいた。

 

2人は帰ろうとするが、村人たちは会場に残って壮真が東京でどのようにしていたかを聞かせてほしいと言った。

また、望美はヤマトが友引村のことを熱心に研究してノートにまとめており、

人形作りが得意で、村人が亡くなったときには、

棺に入れる友引人形というものを作っていたことも話した。

 

そして、2人はヤマトの友引人形を作ってほしいと頼まれ、

やまびこ様の木で作っていた途中のものがあるからそれを使うように言われ、

引き受けることにした。

 

人形を作っていると、凛は窓の外から誰かが覗いていることに気づき、

2人は村人たちに監視されていることを悟った。

 

村人たちが何かを企んでいるのだろうと思った2人は、

ヤマトが村のことを研究していたという話を思い出し、

物置に行ってノートが残っていないか探した。

 

するとそこには、やまびこ様の木で作った友引人形を燃やすと、

一緒にその人も死後の世界に行くと書かれたノートが見つかった。

 

友引人形を自分たちに作らせたのは、棺に入れて一緒に燃やし、

死後の世界に連れて行くためだったと気づいた2人は、それを止めるため、

物置を出ようとした。

 

しかし、そこに村人が現れ、2人は縛られて身動きが取れなくなってしまった。

すると、凛はヤマトから結婚を前提に付き合ってほしいと告白を受けたが、

ヤマトが好きではないため断ったことを明かした。

それを聞いた壮真は、ヤマトに友達になってほしいと声をかけられたことがあり、

それも凛に近づくためであったことに気づいた。

 

このままでは村の迷信に巻き込まれて亡くなってしまうと思った2人は、

石を使って何とかロープを切り、脱出した。

 

2人は村から脱出しようと急いだが、ようやく出口に辿り着いたところで、

壮真は意識を失って倒れてしまった。

そこに2人を見つけた村人たちが現れ、凛の腹を打って気絶させた。

 

凛が目を覚ますと、ヤマトの家の和室に寝ており、隣に壮真も寝ていた。

そこには望美もおり、火葬は終わったと話した。

 

やはり単なる迷信だったのかと凛がほっと一安心していると、

壮真は「熱かった!」と言って勢いよく飛び起きた。

 

すると、壮真は友引人形について話し始め、単に死後の世界に連れ去るだけでなく、

白装束を着せて燃やすと逆さ事が起こると言った。

その逆さ事とは、友引人形の人に故人の魂が宿り、

故人と入れ替わるという現象だった。

 

壮真は望美を親しげに「お母さん」と呼び、凛のことも「藤崎さん」と呼んだ。

 

壮真はどうやら既に壮真ではなくなっており、

中身がヤマトになっていたのであった。

 

【感想・気づき】

世にも奇妙な物語では、作品の前にちょっとした前振りがあるのですが、

本作の前にタモリさんは「皆さんはジンクスというものを信じますか?」

と言っていました。

 

本作に登場する「迷信」とはまさにジンクスのことで、

舞台となった友引村に古くから伝わる怪しげな迷信に、

訪れた2人が迷い込むという展開でした。

 

冒頭でヤマトが線路の踏切の前に登場し、

その後に電車が通るところからこの物語が始まったのですが、

おそらく凛にフラれて自殺し、訃報を受けたとき、

凛もそれが原因であったと確信したのだと思います。

 

村人たちはまるで親戚のようにヤマトと関わっており、

ヤマトが亡くなったときも盛大に葬儀を執り行ってくれましたが、

2人を呼んだのはヤマトを他者の命と引き換えに生き返らせることであり、

ヤマトの母が仕掛けた手口に残念ながら引っ掛かってしまったようです。

 

ただ、疑問に感じたのは、自殺したヤマトが壮真の姿になって生き返ったとしても、

凛が彼と付き合うかという点です。

姿と中身が別人であることが不気味すぎて付き合わないのではないでしょうか。

 

だとしたら、壮真を犠牲にしてわざわざ生き返った意味は、

いったいどこにあるのかが謎ですね。

 

ヤマトの母親も、いくら中身が息子であろうが、姿が全く他人になっていたら、

それをすんなり受け入れて馴染めるのかと聞きたくなります。

 

本作は謎の多い物語ではありましたが、

本作でも壮真は自分が死後の世界に連れて行かれるという運命を変えられず、

凛もヤマトからの告白を断ったものの、

姿を変えて生き返った彼と付き合わされる羽目になってしまい、

その運命は変えられなかったようですね。