昨日の記事で、多くの日本の企業で採られている給与制度について書きました。

 

今回は、その背景にある現状について、もう少し詳しく書きたいと思います。

 

昨日、「社員に支払われる給料は労働時間で決まり、こなした仕事の内容は考慮されない」

ということを書きましたが、そうなっている背景として、

「そもそも仕事が見える化されていない」ということがあるのではないでしょうか。

 

つまり、「誰が何の仕事をどれくらいこなしたかが見えないため、

単に時間の長さで決めるしかない」ということです。

 

例えば、私は今年の途中から部署が異動になったのですが、

異動前の部署でも今の部署でも、

所属長が自部署の社員のこなした仕事を常に把握しているかというと、

あまり把握していません。

 

極端な話、机に座ってパソコンに向かってあたかも仕事をしているように見せかけ、

実際はただボーッと考え事をしているだけだったとしても、

他の人にはわからないという場合すらあります。

そのような状況でも、今の給与制度であれば、給料が払われてしまいます。

 

特に、営業職で外回りの仕事などの場合、社内で仕事をしないので人目がなく、

営業せずに適当にブラブラして会社に戻っても他の社員にはわかりません。

 

昨日書いた、「貢献度に応じて給料が変わる制度」というものを確立するには、

社員一人一人がこなした仕事の定量化が欠かせません。

そうでないと、評価をする人も、

「貢献度で決めろと言われても、それが把握できないことにはどうしようもないよ」

となってしまいます。

 

学校の勉強であれば、全員に同じテストを受けさせ、

採点することで学習内容の定着度が客観的に把握できます。

 

しかし、企業で行う仕事の場合、正解のあることばかりでなく、

貢献度を客観的に数値化できない仕事も多々あります。

 

また、担当している仕事が異なれば、

どちらがより貢献したかを比較する共通の基準もないため、

比較のしようがありません。

 

各社員の貢献度や仕事量が定量化でき、

それに基づいた公平な給与制度を確立することは、

誰もが望んでいることかもしれませんが、まだまだ実現への道は長いと言わざるを得ません。