ヤドリギ金子のブログ -6ページ目

投石                                  

 

憎悪の消息を

もう踏みにじり

うかがい知ることができない

よそよそしさを世襲している者たちとの

和解は捨てられなければならない

憎悪する、と

開花のふるえのように断言する

つきることない石が生じる

私はその静謐を握りしめる

そこだけに闇、

解放されたもう一つの光を

集める湖心、

棒切れのような身ぐるみの

投身を誘う

突端にいるつもりで

石で何度もその鏡を切ったが

常についには許され

離すタイミングをなくした握手のように

浅瀬に立ってしまって佇み

波紋の刻に痛むかのように

首を垂れるが

それでもなお私の義務は軽いから

血迷い、血走りに向かうために

選り取りの投石機がいる

猛毒のカンフルがいる

ひりつき脈打つ

皮膚の裏側へ

臓物のまわりの動脈へ

その後、

腕組みし含み笑いする

膨大な夕闇の背後へ

向き合う二つのからだのように

石で石を呼ぶため

受諾すべき孤独への威嚇を縛りつけ

石を投げよ!

 

   

短詩 14

  

縄床樹で仏光三昧観……

からす河に

猿のききめく音聞くも

心澄むには

くまもなく澄める心のかがやけば

あかあかや

あかあかあかや あかあかあかや

 

  ※

ほとんど丸腰だ

何やらよくわからない塊

人間の脚部

夜になると猫がそれを食べていた

 

短詩13

 

捨てられてこそ釈迦に出会う

捨身をしようと体中から汗が流れて

善財童子、

苅藻島、苅藻島、苅藻島

波、藻、岩の、光に包まれた

 

           ※

 

人道支援機関が到着する前に片付けられる

ブルドーザーが戦車と一緒に降ろされ

一掃し

瓦礫の下に埋め

輸送隊に見えないよう脇に捨てた