コロナ後あたりから、家からあまり出ない習慣が身についてしまったのと、一応は勉強しなくちゃいけないっていう気持ちがあるから(家にいるからと言ってやるわけじゃないんだけど💦)、すっかり出不精になってしまった私。
特に夜の外出が面倒になってきて、観劇やコンサートの予定を入れていても、その日が来ると「あ〜、出かけるの面倒だな」って思うほど。
でも前回、藤田真央さんのコンサートが不完全燃焼だった(全く演奏が見えない席を取ってしまった)から、今回は演奏姿が見たくて、Konzerthaus(コンツェルトハウス)でのリサイタルチケットを取りました。
前回のMusikverein(楽友協会)
予習もしてプログラムもすごく好みだったので、楽しみに会場に向かいました
今回は、クリーム色と水色の明るいトーンが可愛らしいモーツァルトザールにて。
私の席からの眺めはこんな感じ。
手元は見えない角度のお席でしたが、お顔の表情や動きはよく見えて、とっても良かったです
当日のプログラム
私はほとんどの曲をアルゲリッチの演奏(録音)で予習して行ったのですが、藤田真央さんの演奏はそれともまただいぶ違って、違いを楽しむことができました。
私は大きな音が苦手で、大編成で金管楽器や打楽器がたくさんのオケ曲とか、ピアノや声楽でも聴くのが苦痛な演奏があって……。
でも藤田真央さんのピアノのとにかく優しい音色と優美なメリハリは本当に心地よくて、実際に演奏するお姿も見ながらだと、まるでお芝居を見ているような、情景が目に浮かぶような不思議な感覚で、スーッと引き込まれてあっという間に前半が終わりました。
周りの方々も引き込まれているのがよくわかって、会場の空気感もすごく良かったです。
モーツァルトザールは800席くらいで、東京だと紀尾井ホールくらいのサイズ感かなと思うのですが、もっと小さなトッパンホールみたいな親密感もあって、この優しい雰囲気の会場も藤田さんのピアノにピッタリだなと思いました。
この日は大ホール(Großer-Saal)での夜の公演がなかったので、コンツェルトハウス全体もとっても空いていて
混雑を避けて階下のビュッフェに行きましたが、ガラガラで快適〜
眠くなったら困るなと思いつつ、親知らず手術以来、いまいち体調不良で飲んでいなかったアルコールを解禁
素晴らしい音楽に素晴らしいホールに(美味しくはないけど、雰囲気は最高な)ワイン🍷
ウィーン暮らしの喜びを感じるひととき
お席の周りの方々もお一人でいらしてる方の方が多くて、みんなこの喜びを味わいに来ているんだなって、勝手に同志みたいな気持ちになりました。
後半のシューマン尽くしもあっという間で、2曲目のアンコールの後は、スタンディングオベーション
そのオベーションに応える三曲目のアンコールは日本の作曲家の現代曲でした。
ドイツ語ですが、こちらにコンサートのレビューが出ていて、多彩な表現力が絶賛されています。
https://magazin.klassik.com/konzerte/reviews.cfm?task=review&PID=8159
大ホールでソロリサイタルをする日が来ることが願いだって書いてある
この日の最後の曲、クライスレリアーナの8曲目「速く遊び心を持って」の最後のピアニッシモが、本当にスーッと吸い込まれるような静かな終わり方で。
音が完全に吸い込まれて終わる最後の最後の瞬間まで(私の貧しい耳にはもう無音に感じていた時間まで)、観客が全員じーっと静かに耳を澄ませていて、その静かで神秘的な会場の一体感が感動的で、すぐにガサガサ動き出さない(笑)聴衆の質の高さも素晴らしかったです
こういう素敵な夜があると、ウィーンという街に「住ませてくれてありがとう」っていう感謝の気持ちが湧き上がってきます
帰り道にはこれぞウィーンという景色✨
左からキュンストラーハウス、ムジークフェライン、オットーワグナーの駅舎
夜のカールス教会
中になんだか現代的なインスタレーションがある?
素晴らしいコンサートの余韻も冷めやらず、ウィーン散歩をしながら帰りました