私たち夫婦には共通の趣味がないので、趣味活は基本的に個別行動です。
夫は近年トレイルランに目覚め、週末はラン友と遠出して山の中を走ったり、ランニングの大会に参加したり。
でも私が本当に不可解なのは、この仲間たちとは本当に走るだけの付き合いなこと!
朝早く出かけ、一緒に走って、お昼過ぎには帰って来て、ランチは家で食べるんです!
どうせなら、友達と食べて帰って来たらいいのに……。
友達とのおしゃべりとかお食事なしで、ただ走るためだけに、休日の朝早くから出かけるモチベーションがよく湧いて来ますよね。
ほんと謎です。
そして、私のソロ活はコンサートや観劇が主。
コンサートや観劇は、もちろん誰かと一緒のほうが楽しいけれど、1人でも全然平気
先日は、街でたまたま宣伝を見かけて衝動的にチケットを取った、ウィーン交響楽団と藤田真央さんのコンサートに行って来ました。
私は今までピアノを敬遠していて、ピアノ曲をほぼ聴いて来なかったので、ピアノのコンサートに行く前には、当日のプログラムと全く同じ曲順のプレイリストを作って、予習をしてから行くようにしています。
それで、以前に別のピアニストのコンサートに行く前に、予習用にモーツァルトのピアノソナタの13番をプレイリストに入れたくて、どれがいいか探していたんです。
世界的に著名なピアニストの演奏を色々と聴き比べたのですが、なんだか変に甘ったるく節がついている(ように感じる)演奏が多くて、なかなか何回も聴きたいと思うような演奏に出会えず……。
それで、「この曲自体が好きじゃないのかも」って、諦めて適当な演奏をプレイリストに追加しようかと思っていた時に、藤田真央さんの演奏に出会って!
これこれ 私が聴きたかった演奏はこれって、一瞬で虜になりました。
何度聴いても嫌味がなくて新鮮で、聴けば聴くほど藤田さんの演奏に癒される〜
そんな藤田さんが楽友協会(Musikverein)デビューを飾られると知り、ぜひ聴きに行きたいと思い、チケットを取りました。
でも、衝動的に決めたので、ケチな気持ちが発動して、一度どんなものか座ってみたいと思っていた格安のオルガン横のバルコニー席(Orgelbalkon、ステージ裏の二階席)を取ってみることにしました。
お値段は破格の29ユーロ(4700円くらい)
日本で同じコンサートを聴こうと思ったらいくらかかるんだろうと思うと、このお値段で一流のホールで一流の演奏が聴けるウィーンの恵まれた環境に感謝
でもチケットを取る時に間違えてチケットカウンター受け取りにしてしまったので、わざわざチケットを受け取りに一度ムジークフェラインまで行くことに。
何度も来ているのに、その美しさに毎回写真を撮ってしまう……
コンサートの案内
チケットの受け取り窓口は、ホテル・インペリアルとの間の裏通りにあります。
窓口への入り口
そしてコンサート当日、オルゲルバルコン席1列目からの眺めはこんな感じ。
身を少し乗り出すと、第一と第二バイオリンが見えます。
背もたれに背をつけて座ると、第一バイオリンの一列しか見えません。
肝心の藤田真央さんも、カーテンコールの時に一瞬立ってようやく見えました
でも下から立ち上がってくるオーケストラの音に包まれて、臨場感は最高
音響も良くないお席だろうと覚悟はしていたのですが、下から立ち上がってくる音の波動みたいなものが感じられて、私はとても楽しめました。
録音とは全然違う、生ならではの繊細なハーモニーがダイレクトに伝わって来て、ああやっぱり音楽は生がいいなぁって、改めて感動
あと、オルゲルバルコンに行くまでの道のりがちょっと秘密の裏口っぽくて、ミーハーとしては楽しかった
でもやっぱり、オケや藤田さんの演奏をもっとしっかり見たかったので、次回はちゃんと舞台が見える席を取ろうと思いました。
サイドのお席も、二列目、三列目は舞台が見えにくいのですが、藤田さんが演奏を始めると、皆さん立ち上がって、一目見ようとされている方が多かったです。
あと、オルゲルバルコンからは、平土間の客席がよく見えるのですが、1曲目のハイドンの演奏中、ガムを噛みながらずーっとイチャイチャしたり(キスまでしてた!)、話したりしている中年カップルがいて
「うわ、別にコンサートには興味ない、観光客の人たちかな」
って思って引いた気持ちで見ていましたが、藤田真央さんの演奏が始まった途端に、2人ともピタッと静止して。
あれだけくっついていたのに、いつしか体も離れ(笑)、ガムすら噛まずに、2人ともジッと舞台に集中してる!
すごいな〜。こんな感じの人たちもハッとさせて、集中させる演奏ができるなんて
コンサートの様子はMusikvereinのXでも紹介されていました。