の続きです。


子供たちの学校は今週で冬学期が終わるので、金曜日には成績表をもらって、1週間の学期間休暇(Semesterferien)に入ります。


先日にはNotenkonferenzと呼ばれる成績会議があり、学校は12:00でおしまい。


今までは、なんで職員会議で午後の授業が全部なくなるのかって疑問を抱いていたけど、半日かけて全校生徒の成績を審議する、先生にとっても大変な会議と聞いて、文句を言いたい気持ちを改めました指差し


そんな成績会議の最中、例の盗みを働いてしまった子の面談もあったようです。


こちららしいなぁと思うのが、その面談の様子を担任の先生が包み隠さずクラスの子達に話すところ。


日本だともっと濁したり、あまり多くは語らないような気がします。


学校側から出席したのは、学長、副学長、担任の先生、Vertrauenslehrer(直訳すると「信頼教諭」)という役職の先生の4人。


このVertrauenslehrer(相談係の先生)って、生徒に何か問題があって相談したいときに、決して拒んではいけない役職の先生なんだとか。


逆に言うと、普通の先生には(それが例え担任の先生でも)生徒の相談に乗らないといけない義務はなくて、個人的な理由(忙しいとか精神的に一杯一杯とか)で生徒の相談を断ってもいいんだってびっくり


こちらに来てから、先生の権利がめちゃめちゃ守られてるなって、びっくりすることが多いです。


ちなみに、うちの子の学校のVertrauenslehler(相談係の先生)ってちょっと変わった方で、行事にもめちゃめちゃ参加されるので、保護者にもお馴染み人。


(行事で見る分には楽しいから好きだけど)


上の子に、


「え? あの先生が相談役なの? ちゃんと相談に乗ってくれるのかな? いきなり詩とか朗読しそうじゃない?」


って言ったら、上の子も


「でしょ、でしょ? みんなも絶対相談したくないねって言ってるよ」


って。


相談係の意味……アセアセ


でも、ちゃんと勉強会や研修に出席して、特別な研鑽を積まれている先生のようです。


そして、その話し合いの席には、盗んでしまったクラスメイトとお父さんの2人が出席。


お父さんは話し合いの席で、ずっと泣いておられたそうです。


その話を担任の先生は、道徳のような時間にクラス全員に説明。


「こんな悲しいことは、私の教師生活で初めて経験した。だからみんな、決して悪いことはしないでね」


って話されていたそうです。


この学校でも過去に前例がないことだったらしく、処分も難しかったようですが、やはり警察沙汰になるような常習的な2年近くにわたる行為だったために、下されたのは退学処分……。


次の日から、もう学校には来ずにホームスクーリング(自宅謹慎)となり、2月の半ばまでに自分たちで転校先を見つけないといけないのだとか。


期限までに受け入れ先が見つからない場合、行政が指定する学校に転校となるらしいです。


ただ盗難ということで、成績表の「行動評価(Verhaltensnoten)」に5(落第点)がついてしまうため、受け入れてくれるギムナジウムを探すのは非常に難しいだろうという話で……。


まだ義務教育年齢なので、最終的にはNeue Mittelschule(新中学)と呼ばれるカテゴリーの学校に転校となるのではないかということでした。


でも、私はこの話を聞いたときに、成績も悪くなく、頭もいい子だから、どこの学校に移ったとしても、心機一転頑張ればきっと明るい未来が開けるはず、って思ったんです。


今の子供たちの学校はオーストリア人が多く、イスラム系の子は本当に少ないので、マイノリティとして居心地の悪いこともあったんじゃないかなとも思う。


実際、上の子の友達には中国系の子もいるんですが、最近、学校内で違う学年の子たちから例の「チンチャンチョン、中国に帰って犬でも食べてろ」といういじめを受けたらしく、その子は泣いて学長にクレームを入れたそうです。


マイノリティの移民として、エリート(選民)意識の強いヨーロッパ人と対等に渡り合う大変さって、子供でも重々感じてると思う。


うちの上の子も、同じくスイス人ハーフ(この子はスイス人とオーストリア人のハーフ)に、「偽スイス人」って呼ばれるって嫌がってました。


だから、圧倒的に移民が多くて、エリアによってはマジョリティがイスラム系だと言われるMittelschule(中学)への転校は、この子にとっては悪くないんじゃないかなって、私は話を聞いたときに思ったんです。


でも夫や上の子は「Mittelschule(中学)に転校だなんてひどい! セカンドチャンスを与えるべき!」って憤ってる。


私には、この学校の判断が妥当なのか酷いのかはわからないのですが、盗みを繰り返してしまったのには、環境に対するストレスもあったんじゃないかと思うので、転校は必要なんじゃないかなとは思います。


とにかく新しい学校がどこであれ、持ち前の頭の良さとコミュ力を活かして、心機一転頑張ってほしいなって、ただただ願うのみです。


写真は週末に散歩したアルテドナウ(旧ドナウと呼ばれる大きな池のようなエリア)。


中央に浮かぶのが、夏には水浴場として開放されるGänsehäufel(ゲンゼホイフェル)。


こーんなに寒いのに(&サウナもないのに!)、水に入ってる人がチラホラいてビックリ!


なんかの健康法なんでしょうか? 水から上がった体が真っ赤になってましたびっくり


(ちなみにこの日の最高気温は3度)


カヤックは気持ちよさそう!


お決まりのDas Bootshausでお茶。


上の子のチョコレートケーキ(Truffle Torte)


私のチョコチーノ(カフェモカ)

生クリームなしでって言うの忘れちゃったけど、生クリームあったほうが映えますね。


寒かったけど、晴天のドナウ散歩でリフレッシュできましたキラキラ