今シーズンは販売を終了したいちご苗ですが、
先日来年から大量注文を検討したいという農家さんがいらっしゃいました(ありがとうございます!)。
その農家さんでは炭疽病が蔓延しているとのこと。
横田農園の苗には病気のリスクはないですか?との質問がありました。
当園もこれまで炭疽病、萎黄病には苦しんできました。
園主が先代のいちご栽培を継いだときは、ハウスを設置し、その中の地面に直に親苗を植えて苗をつくっていましたが、炭疽病を完全に抑えることはできませんでした。
さらに萎黄病がひろがってしまい、5年でギブアップしました。
このやり方では無理だということで、その後は高設栽培に切り替えて、親苗をプランターに植えるようにしました。
使う土はすべて購入し、親苗は毎年種苗センターから購入するようにしました。
また、水やりの方法も見直し、頭上灌水はやめて底面給水マットにより水をあげることにしました。
(この下にひいてあるのが給水マットです。ここに水を含ませて水を吸わせます)
こうしてやっと炭疽病、萎黄病の発生は完全になくなりました。
この方法で栽培してきて、6年。
以前は病気で苗が全滅してしまったときのリスクも考えて、JAに山苗(気温の低い高原でつくられた苗)を注文していましたが、
最近は猛暑のせいで高原でも気温が高くなってしまい、炭疽病が発生しているようです。
こんな背景もあり、今年からすべて自分で育てた苗での栽培に切り替えました。
スタッフの技術も上がって育苗技術も安定してきたので、近隣農家への苗の販売も始めました。
多少余剰が出るので、ネットショップでもみなさんに販売させていただいているところです。
それでも現在、まったく課題がないわけではありません。
一つ目は、とちおとめで芯止まりが5~10%出てしまうこと。
※芯止まりって?
いちごはシーズン中に何回も花芽を出しますが、花芽の出る間には必ず「葉っぱ」が出るんです。
この葉っぱが出てこなくなるのが「芯止まり」
花芽の下の節の脇芽が伸びなくなり、つまり花芽の下から葉っぱが出てこなくなって、
先端が花房となり、それ以上成長できない状態を「芯止まり」といいます。
そして二つ目の課題は、ハダニの発生。
定期的に防除はしているのですが、完全に抑えることはできていません。
現在は上でも話したように、底面給水を行っているのですが、どうしても根の傷みがでて根が弱ってしまいます。
芯止まりが起きるのも、根が弱って肥料の吸収が悪くなってしまうことが原因のようです。
これを克服するため、一部で空中ポットトレーによる育苗を試しています。
ただこの方法、点滴灌水を行うのですが、灌水チューブの穴が小さく、井戸水ではつまってしまいます。
なので水道水を使っているのですが、これだと水道代が高コストになってしまうのが難点・・
というわけで現在でもまだまだ課題はありますが、振り返ってみると、かなり育苗技術は上がってきているかなと感じます。
高齢化、温暖化によりいちご苗の育苗が難しくなってきている現在。
いちご栽培をあきらめる農家が少しでも減るよう、これまで経験してきたことをもとに、
さらに育苗技術を上げていかなくてはと改めて思いました。




