ワルサーPPKともにドイツ国防軍や警察に採用されたザウエル&ゾーン38H | ジャック天野のガンダイジェスト

ジャック天野のガンダイジェスト

スモールアームズ(小火器)に関するエッセイです。同じアメブロで書いていたブログを継続して、不定期で更新して行きます。

写真を見ると、一見ワルサーPPKと思われるかも知れませんが、この自動拳銃はザウエル&ゾーンの38Hです。38HのHはWikipediaでは「ハンマーレス」の意味だと記述されていますが、じつはHeeres(公用)の意味のHです。1938年にドイツ国防軍の将校用およびドイツ警察用に制式採用されたからです。なお、ハンマーは露出していませんが、ストライカー方式ではなく、内蔵ハンマー方式になっています。メーカーはJP ザウエル・ウント・ゾーンGmbHで、戦後はスイスのSIGと提携してSIG Sauerとなりました。Sauer & Sohnはドイツの有数の自動拳銃メーカーで、この38Hはその代表的な製品です。口径は.320ACP(7.65X17mm)で、弾倉には8発を装填することができました。作動方式はシンプルブローバック、トリガーはダブルアクションでした。

映画にもいくつか登場していますが、印象的なのはレマルク原作の映画「愛する時と死する時」(1958年)で主人公のドイツ軍将校ジョン・ギャヴィンがザウエル&ゾーン38Hを使います。この映画にはエルマMP40も出てきます。