マウザー初の拳銃、C78ジグザグリボルバーは失敗作だった | ジャック天野のガンダイジェスト

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スモールアームズ(小火器)に関するエッセイです。同じアメブロで書いていたブログを継続して、不定期で更新して行きます。

マウザー(モーゼル)と言えば、ドイツのオーベンドルフ・アム・ネッカーにあった小火器製造会社で拳銃から自動小銃、そして機関銃まで有名になりましたが、その最初の製品は失敗作でした。その製品はマウザーC78で、創立者のペーター・パウル・マウザーによって考案されたリボルバーでした。別名を「ジグザグ・リボルバー」と呼ばれますが、その理由はシリンダー(弾倉)を回転させるための溝が通常のリボルバーのようにストレートではなく、ジグザグになっていたからでした。それでも、ドイツ初のセンターファイア式メタルカートリッジのリボルバーで、同社は陸軍での正式採用を狙っていました。しかし、ジグザグ式シリンダーの製造工程が複雑なこともあって、大量生産はされずに、制式採用もされませんでした。マウザーはその後、自動拳銃のC96を開発し、これが陸軍に制式採用されたのです。なお、C78ジグザグリボルバーは口径が7.92mmから10.6mmまであり、装弾数は6発で、トリガーはシングルアクションでした。

 

このようにあまり注目されずに製造中止となってしまったジグザグ・リボルバーはさすがに映画などには登場しません。