ファン・ゴッホが自殺?に使用したルフォーショー7mmリボルバー | ジャック天野のガンダイジェスト

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スモールアームズ(小火器)に関するエッセイです。同じアメブロで書いていたブログを継続して、不定期で更新して行きます。

最近、話題になっているのが、画家ヴィンセント・ファン・ゴッホは拳銃で自殺したのではなく、近所の子供が親の実銃を弄んでいるうちに、暴発してゴッホを射殺してしまったという説です。この新説に興味があって、ゴッホがポール・ゴーギャンと住んでいたという家の庭から1965年に見つかったとされるその銃を調べてみました。そうすると、この銃はリボルバーで(ゴッホが死体で見つかったのが1890年6月ですから、まだ自動拳銃はまだマウザーの試作品ぐらいしか存在しません)、完全に錆びた状態で見つかったということです。そのリボルバーが2019年6月にパリで開かれたオークションで、162,000ユーロ(約181,600ドル)で落札されていたのです。このオークションを報じたネットの記事を見ると、たしかに錆びついたリボルバーの写真がありました。ひと目見て、これはフランスのルフォーショーの7mm口径のピンファイアリボルバーであることがわかりました。錆びていないルフォーショー7mmリボルバーは写真の通りです。このルフォーショー7mmリボルバーは反動が少ないので、子供が撃ったとしても不思議ではありませんね。なお、ルフォーショー7mmリボルバーは1873年に詩人ポール・ヴェルレーヌが詩人アルチュール・ランボーを撃った銃としても知られています。

 

なお、ルフォーショーのリボルバーはM1858としてフランス海軍制式(将校用)となったことがあります。このM1858はメタルカートリッジのセンターファイアリボルバーで、口径は12mmでした。