ガス圧利用のオートマチック・リボルバー、ウェブリー・フォスベリー | ジャック天野のガンダイジェスト

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スモールアームズ(小火器)に関するエッセイです。同じアメブロで書いていたブログを継続して、不定期で更新して行きます。

リボルバーというと一般的にはハンマーを指で起こして、シリンダーを回転させ、トリガーを引くシングルアクションか、トリガープルでシリンダーを回転させ、ハンマーを起こすダブルアクションのどちらかになります。このどちらにも属さない独創的なリボルバーがウェブリー・フォスベリー・オートマチック・リボルバーです。初弾はハンマーを手動で起こしてトリガーを引くシングルアクションですが、発射時のガス圧により、シリンダーが回転し、ハンマーが起こされる自動式リボルバーになります。トリガーはいつもシングルアクションのため、トリガープルは軽く、また連続した射撃が可能となっています。このユニークなリボルバーは陸軍士官のジョージ・フォスベリー中佐によって考案され、ウェブリー・スコット社によって製造されました。ウェブリー社は軍用制式拳銃として採用されることを期待していましたが、制式になることはありませんでした。また、一般販売もされましたが、大きく重いのと、自動拳銃が流行してきたため、あまり人気は出ませんでした。口径はイギリス軍制式の.455ブリティッシュの6連発と、のちに.380の8連発が作られました。

 

映画では「未来惑星ザルドス」("Zardoz”、1974)で主演のショーン・コネリーによって使われました。オートマチック・リボルバーという存在が未来的なものに感じられたのでしょうか。また、「マルタの鷹」("The Maltese Falcon"、1941)ではウォード・ボンド扮する刑事がこのウェブリー・フォスベリーを使用しています。