良血 (エプソムCとマル外論) | ☆まけうまブログ★

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徒然なるままに日暮らしスマホに向かひて心に浮かぶよしなしごとを競べ馬の有様とともに書きつらねる自己満ブログ。
前半はよしなしごと、後半はレース回顧。
競馬道は一にも二にも検証の積み重ね。怠ればハズレ馬券が山と成す。

東京1800展開いらず。
別定戦。
結局、混戦でも地力上位が来る舞台な訳だね。

勝ったトーセンレーヴは明らかにマイルの方が向いている。
あの強引なレースぶりでも来てしまうのが地力であり、外人マジック。
早め先頭から持たせてしまう技術に、今最も長けているのがウィリアムズの騎乗だと思う。
昔、マイケル・ロバーツが微妙に乗れなくなってた時期に、欅の辺りから一気に動いて最後3着みたいなレースがよくあった。
早め先頭でもウィリアムズ、ギリギリまで交わさずに来る。
その違いが、見ていて非常によくわかる。

しかしレッツゴーキリシマの逃げっぷりは感動的だった。
屈腱炎明けで2年ぶりの馬が軽快にハナ切って直線半ばまで粘っていた。
能力は落ちていない。
本当、脚元さえ無事なら…だね。

今週の福永はまた残念賞に戻ったけど、この辺がこの馬のキャラでもあるからしょうがないだろうな。

昨日、今日と、人気薄の重賞で見せ場十分の柴田大知。
雨上がりの東京は、荒れてる内も意外に伸びる。
洋芝得意のキャラを上手く生かし切った。


さて、阪神…
前回の勝ち方が強かったファリダット。
ここも勝って、重賞戦線に乗り込みたい。
京都⇒阪神で連勝するようなら本物、面白い存在になれる。

昔、ダートのオープン戦線が未整備だった時代。
札幌コースに芝が出来て以降は、重賞といえばGⅢのフェブラリーハンデ、根岸S、ウィンターSしかなく、ミスタートウジンやマンジュデンカブトといった猛者どもは、59㎏や60㎏の酷量を背負って、ピイピイ言いながらひたすらオープン特別を走っていた。
下級条件ではダート戦の方が割合が高いにもかかわらず、オープンは使える場所が劇的に限定されていた。
そんな訳で札幌ダート1000mの白樺賞に出ていた馬が、2300mのウィンターSに平気で出てくるし、実際使える所に使うしかない。
そのくらい距離もコースも全部オールマイティにこなした馬がオープンに鎮座していた訳である。
今の時代なら重賞の2つ3つは勝っていたはずの連中ばかりだ。

その時期はちょうどバブルと重なり、日本にも凄まじい血統のマル外が続々輸入されていた。
そういう馬は、元手がかかってるから、当然芝を使う。ダートで勝ち上がっていっても、最後は使う所がなくなるし、ダートでどれだけ走っても、種牡馬の道が開けないのだから、結局GⅠ狙うなら芝しか選択肢がない。
だから、アメリカ血統でもなんでも、高額だった馬ほど、とことん芝路線を歩むことになる。

MP系ファピアノ産駒のエーピージェットは、ミホノブルボンと同期の世代のマル外で、やはり芝路線を歩んだ馬だった。
アメリカの名牝タピアノの全弟に当たる良血で…今の時代だったら、迷わずダート路線を歩んでもおかしくない。

しかし、この馬もまた選択肢のない時代の犠牲者だった。
1600mの京成杯に一番人気で登場すると、横一戦の競馬でギリギリ凌ぎ切って優勝する。
あのレースぶりを見て、これは強い!と思った人はほとんどいなかったんじゃないだろうか。

このレースには、セクレタリアト産駒の超良血(社台産持ち込み馬)のオンエアーも二番人気で出走していた。
競走馬としてはもちろん、種牡馬にするために日本に持って来たような血統の馬が、この京成杯で、一、二番人気を分け合っていたのだった。

しかし、オンエアーは最後の直線で故障して、予後不良になってしまう。

もう一方のエーピージェットも、かなり弱いメンバー相手に、なんとかギリギリ勝ったな、くらいの印象でしかなかった。

その証拠に、それ以降の芝路線では、ほとんど見せ場のない状態が続く。

エーピージェットが復活したのは、東京のダート1400のオープン銀嶺S。
この時代は、フェブラリーハンデのステップレースだった。
新馬当時は覚えていないが、たぶん初ダートだったんじゃないかと思う。
すでに重賞勝ちの実績も色褪せていた頃で…新味を求めてのダート転向を半信半疑で見ていたら、相棒的場均を背にエーピージェットはもっさりとした脚取りで振り切って勝ってしまった。

あぁ~やっぱりこいつはアメリカの馬だったのか。

思えば、芝路線を歩んでいた頃も、[一番人気]に応えて重賞を勝った馬だ。
ここもいきなりダートをクリアして勝つ力がある。
芝の京成杯は、能力だけで勝っていたのだ。

もし、今のようにダート路線が交流も含めて様々な距離で整備されていて、最初からダートに絞って使われていたら…
素晴らしい馬に育っていたのかもしれない。

しかし、輝きを取り戻すには少し色褪せすぎた頃だった。

その後に活躍することもなく、エーピージェットは、生まれ故郷のアメリカに連れ戻されて種牡馬になったらしい。
それだけが唯一の救いだった。

あの時代、日本に連れて来られたマル外の多くは、早熟で成長力がないという烙印を押されて消えていった。
確かにアメリカにはそういう血統がゴロゴロいる。
しかし、3歳初期までなら、能力だけで不適な条件もこなしてしまうことが往々にしてあるものだ。
実際はエーピージェットのように、早熟でもなんでもなくて、その馬に最も適した条件を使われることなく、消耗して消えていった馬も無数にいるのではないだろうか?


後にガーネットSを勝つスーパーナカヤマが、中山芝2000の葉牡丹賞に出て来た時…
馬のデキは素晴らしかった。
ただ、誰が見ても、出て来る条件がまるで合っていなかった。
ふざけろ、こら!
こいつは、[そういう馬]じゃないだろ。
おまえらはまたそうやってマル外を適性外の場所で使い潰す気か?

自分は生粋の開国主義者で、内国産も外国産もほとんど気にしたことがない⇒
同じ馬じゃねぇかと。

ただ、エーピージェットが教えてくれたほどは山ほどある。
馬というのは、必ずしも適性に合った条件で使われている訳ではない、ということ。
それは、JRAが長年歪んだ競走体系を放置していたことに、人間の欲目が加わって引き起こされているのだろうな、きっと。


サンデー産駒のGⅠ馬ビリーヴをわざわざアメリカに連れていって、キングマンボを種付けして生まれたファリダット。

父キングマンボは、ミスタープロスペクター×ミエスク=世界最高レベルの血統背景を持ち、GⅠも勝ち、そしてエルコンドルパサーから始まった快進撃によってアメリカ屈指の高額な種付け料を誇る名種牡馬になった。

莫大なコストをかけてでも、マエコウさんは、おそらく夢を追うにふさわしい最高の馬を求めたのだ。

そうして生まれた馬を、ダート路線に転向させることにはかなりの勇気が、陣営には必要だったはずだ。

何より、一番の足枷になっていたのが、安田記念僅差3着の実績だろう。

こんな馬じゃない…

誰の胸にも、そんな思いが去来する。

しかし、年齢的に後がない時期まで来て初めて、挑戦する気持ちが固まったのだろう。

このままでは終われない…

一体になって馬を育て上げる佐藤哲三というジョッキー、おそらくファリダットは最高の相棒を得た。
マエコウさんもまたアーネストリーを通して、最もそのことを知る馬主の一人。
佐藤哲三という男に、超良血ファリダットの最後の競走人生を賭けたのだと思われてならない。

直線半ばまで最内で溜めていた哲三さん。
そこから前が開くのか?と思っていたら、誰にも不利を与えることなく斜めに外に持ち出して、一気に決めた。

おそらく安田記念も、能力だけで3着に来てしまったのだろう。
芝のGⅠでも勝ち負けできる能力が、本当の適性舞台に移ったら、結果はついて来る。

なぜかわからないけど…
競馬を見ていて、久しぶりにうれしかった。


日本のダートの大物は種牡馬としては成功しない。
社台のゴールドアリュールは成功しているが、サンデー系の上にダービー5着の実績がある。
日本のダートの中~長距離馬というのは、やはり種牡馬としては重過ぎるのだろう。

しかし、スピードに秀でたJBCスプリントの勝馬だけは例外。
サウスヴィグラスもスターリングローズもそれなりに走っている。
スピードがあって、ダートもこなせるというのは、高額な価格帯になりえないランクの種牡馬にとって、大事な条件なのだ。
中央、地方を含めて、日本の競馬の8割がダート戦だということを忘れてはならない。

そういう意味で、ファリダットのように馬産地に還元しなくてはもったいない血統がある。

このまま突っ走って、JBCまで勝っちゃえよ。