明日はエプソムC。
芝1800mのGⅢという、ローカルみたいな条件を府中でやる所がなんとも言えない違和感を醸し出す。
以前はハンデ戦だったが、今は別定⇒そこも今のローカルとはひと味違う。
昔の北九州記念はこのレースとほぼ同じ施行条件であった。
といっても、やはり府中。
[東京1800展開いらず]と言われる日本一のフェアなコースで、安田記念と宝塚記念の谷間に咲くぺんぺん草のようなメンバーが集う所が、逆に特殊なレースに感じる由縁だろうな。
ローカルと違って中央場所手当がつくわけだし。
まぁ今週エプソムCがあるにも関わらず、先週そっくり同じ条件の鳴尾記念を組んでるJRAも何を考えてるのかよくわからないが。
先週は同じ競馬場で宝塚のステップ、今週で終わりの府中は夏のローカルドサ回り組の出発式みたいな微妙な位置付けの違いがあるのかもしれん。
とか言ってはみるが…
[エプソムC]
改めてこのレース名を眺めると、そんなしょぼいレースに全くそぐわない。
かのThe Durby=ダービーステークスの開催地である[エプソム競馬場杯]なんだもんなぁ。
行徳の馬券野郎は、買った馬が次々と予後不良になってしまうことで近隣の一部に有名な男だが…
かつてイギリスを放浪してた時に、エプソムにも立ち寄っている。
その日は開催もなく、ひたすら静謐なエプソムの森に佇んでいたそうだ。
奴はエプソムの印象を一言でこう語っている。
[デカかったっすよ]
………。
これぞエプソム!みたいなもん、なんかなかったのか?
[ジェネラスの銅像がありましたね]
ジェネラス?
………。
若き日のアラン・ムンロを背に英ダービー&愛ダービーを制し、キングジョージをも圧勝したジェネラスは、ラムタラ同様に、3歳で引退したものの、欧州の歴史的名馬の中に数えられる一頭。
カーリアンの代表産駒であり、日本ではオースミタイクーンの兄としても知られている。
その後JRAによって種牡馬として導入されたので、ラムタラ同様に日本でもお馴染みの馬だ。
そして産駒成績も、ラムタラ同様に惨憺たる失敗に終わっている。
マイルの2000ギニーで敗れて、クラシックディスタンスで圧倒的な強さを残した=日本には重すぎた、ということなのかもしれない。
自分的には、シャーガーとかニジンスキーの銅像みたいなのを期待していたので、割と最近の馬じゃねぇかよ(-_-メ)
と思ったのだが…
それ以上に、あまりにひどい種牡馬成績のために、確か南半球の方に売り飛ばされたり、その辺りのネガティブな印象が強いせいか、エプソムで銅像になっているジェネラスにピンと来なかったのもある。
世界的にも特殊な、硬すぎる芝のせいで、欧州の名馬は日本において不当に扱われてしまう傾向がある。
シャーラスタニだって、ほとんど種牡馬として存在感を示せなかった。
しかしジェネラスは間違いなく、あの時代屈指の名競走馬だったのだ。
日本が[名馬の墓場]と言われるのは、何も一面的な話だけではない。
アメリカに持っていった方が高額のシンジケートを組める。
金さえ積めば、墓場と言いながら、日本にも売ってしまう。
それだけの名馬を簡単に手放してしまうのが欧州不況の現状であり、20年前からすでにこんな状況だったのだ。
しかし、あらゆる血統が根を張る広大なアメリカと違って、芝が特殊で生産頭数も減少一途の日本ではせっかく導入した種牡馬を活かすことなく終わる。
導入する前に、日本という特殊すぎる競馬環境に適応する馬かをよくよく検討したのだろうか?と思わずにはいられない馬もいる。
ピルサドスキーとか。
日本に適応しない種牡馬を連れて来た時点で、この国がその馬の墓場になってしまうということだ。
MP系のフォーティナイナーやキンググローリアスは、日本では小物しか出せないイメージだけど、その代わり勝ち上がり率は半端ない。
もし社台が導入してたら、繁殖の質が違うから、産駒傾向もかなり変わったかもしれないが(⇒社台産フォーティナイナー産駒にはユートピアがいる。)
日高視点で見れば、JRAのいい買い物だったんじゃないだろうか?
そんな訳で、銅像になって然るべき名馬であるはずのジェネラスに対して、つい日本目線で見ていたかもなぁ、となんだか済まない気持ちになった。
ちなみに行徳の馬券野郎のエプソム土産話は、どれだけ振っても、その2つしかない。
そんなエプソムでは、今年アメリカに続いて、イギリス二冠馬が誕生した。
天才調教師エイダン・オブライエン率いるバリードイルのキャメロット。
この馬の主戦は19歳のジョセフ・オブライエン。
つまりはオブライエンの息子である。
9頭立てという寂しい頭数にはなったが…
それにしても、2000ギニーはともかく、こんなガキにダービー勝てるかよ?
親の七光的な存在に対しては、どこか反感を抱くのが日本人メンタリティなのかもしれないが、そんなものはバリードイルとオブライエン親子には全く関係なかったようだ。
レースは淡々と流れて、勝負所で一気にペースが上がる欧州らしい競馬。
そこにトリッキィなコースが輪をかけて、たちまち馬群がバラける。
直線に向いて、無駄脚を使うことなく中団にいたキャメロットは余力十分。
追い出されると、こりゃ勝ったゎ!とわかるほど伸び脚が違う。
しかも、馬がよれたのか、確信犯的に内に寄せたのかは知らないが(⇒だとしたら、ジョセフ・オブライエン、げに末恐ろしい奴である)、押圧して、玉突き的に不利を受ける馬が続出。
9頭立てにもかかわらず、直線でふらふら踊ってる馬もいれば、まともに詰まって立ち上がる騎手もいる始末で…
後方でフェアとは程遠い光景が繰り拡げられながらも、キャメロット自身は、そんなん知ったことかい、と言わんばかりの圧勝であった。
しかしセントレジャーの価値が相対的に低下しているイギリスでは、三冠を狙うことにほとんど価値のない時代になってしまった。
おそらく、この馬もアイルランドダービーか、キングジョージか、はたまた休養して凱旋門賞か、という選択肢になるだろう。
でも、やっぱりつまらない…と感じるのは日本の三冠体系の重みに慣れてしまっているせいなのだろうか(-_-;)彡
菊花賞の日に、セントレジャーの開催地である[ドンカスターS]を行うことを、三冠に対する日本からの敬意として、とても意味深く感じるのだ。(だからダート1200の準オープンなんて条件でやるのは、頼むからやめてくれJRA)
アイルハヴアナザーが、アメリカでアファームド以来の三冠を勝ち取ってくれたら、少しは欧州人にも三冠の重みやワクワク感を思い出させることになるだろうか?
自分たち競馬の歴史と伝統を最上位と捉えているイギリスの競馬人のプライドに火をつけて…
んなこともないか。
しかし、こちらのエプソムCは唖然とするほどしょっぱいメンバー。
一応GⅠホースのセイウンワンダーが勝った年が、豪華キャストに思えるほどで…
レッドデイヴィス以外の人気馬が、どいつもこいつもマイルベストみたいな連中ばかり。
そこに持って来て、22ヶ月ぶりに登場のレッツゴーキリシマ…あんたまだ現役だったんかぃ!
こういう勝ち負けできそうもない懐かしの馬が、もうひと味、しょっぱいレースに華…いや、ぺんぺん草を添える。
ここは東京ダービーの分まで見て楽しむことにするかな。
【追記】
このブログを書いた数時間後、朝刊を開いたら…
アイルハヴアナザーが左前屈腱炎のためベルモントSを出走取消。引退が発表された。
残念だけど…
正直、宝塚がどうでもよく思えるくらい、がっかりだった。
つまらないね(-_-;)