今日の読書記録は、モーリス・ルブランの『ルパンの大失敗』です。
怪盗紳士ルパンの誕生の秘密が明かされる短編集です。
この短編集ではルパンが事件に巻き込まれたり、失敗したりした物語が語られます。
〈あらすじ〉
まだ年若いルパンがはじめてくわだてた計画、それは大富豪アンベールのやしきから一億フランの証券をぬすみだすこと。ところが、事件は思いもよらぬ展開をする。大怪盗ルパンにも、まずしくみじめな青年時代があった。彼が、親友ルブランにうちあけたふしぎな失敗談から、アルセーヌ・ルパン誕生の秘密が明かされる。
怪盗紳士アルセーヌ・ルパン。彼は貧しい青年時代を過ごしていたという事実が明かされます。
そんな彼がはじめて計画した事件は、決してうまくいったわけではありません。
鮮やかに宝石などを盗み出すルパンも、時に失敗をしてしまうことがあるからこそ親しめるのではないかと思いました。
「大探偵ホームズとルパン」では「ホームズ対ルパン」で争うふたりの出会いが語られます。今回はふたりは引き分けとなるですが、これから起きるふたりの戦いが楽しみになる作品です。
また、この『怪盗ルパン』の物語をモーリス・ルブランが小説化するいきさつが知れる「ハートの7」も収録されています。
サスペンス味が強く、謎解き要素も多く盛り込まれていて目が離せませんでした。