山崎正和(大阪大学名誉教授・劇作家)は
観世寿夫と対談して、
世阿弥と
メルロ・ポンティ(フランスの哲学者)を
比較している。
 
メルロ・ポンティは
人間のからだについて精巧な考察をした。
 
からだは我々自身であって、
それ以外の何物でもない。
 
だが、からだは我々の道具で、
対象でもあるから
我々自身ということとの間に
二重性を持っている。
 
例えば初めて自転車に乗る時は、
自然には乗れない。
 
そういう時は、
道具としてのからだを
強く意識するけど、
上手に乗れるようになると
意識しなくなる。
 
世阿弥は
「初心忘るべからず」と書いた。
 
からだが思い通りにならかった
初心を忘れてはいけないという意味で、
(初心に帰るわけじゃない)
 
これはそもそも
からだと我々の間の二重性を
思考しているわけなのだ。
 
僕はカウンセラーなので、
からだは我々自身だという視点から
メルロ・ポンティとは逆に
我々が自分自身と思っている思考を
道具として対象となるものとして
扱うことがある。
(先日中学校でもそんな話をしたw)
 
 
つまり、それだけ世阿弥は本質的なのだ。
何故なのか、は分からない。
 
禅の思想によるものか
「阿弥」の称号が示すように、
専修念仏の時宗のせいなのか。
 
 
一つ言えるのは、山崎正和も言うように、
日本で世阿弥ほど整然とした理論を残している
芸術家はほかのジャンルにも一人もいない、
ということなのだ。
 
 
というわけで、
こんなマニアックな本にまで
手を出してしまった長ーい言い訳w
 
世阿弥の全著作を訳して評した研究書だ。
 
にしても。
amazonで上下で1195円だった。
安すぎる。。
 
 
「名著共読会」は毎月第二金曜日
 
・風姿花伝(世阿弥)14時~
・武士道(新渡戸稲造)19時~
 
https://peraichi.com/landing_pages/view/0vfoz

ああ、これ大事。

https://headlines.yahoo.co.jp/ted?a=20180115-00006639-ted&utm_source=taboola&utm_medium=exchange

(TED:スー・ジェイ=ジョンソン)

 

 

チャイルドラインでも、性についての

講義がある。電話相談の割合としても最多、

4割以上が性についての話題だ。

 

一番大事なのは、自分のボディイメージ。

下半身が、何だか恥ずかしくて汚いもののように

感じるとしたら、それは本能じゃない。

そう“教育”されたのだ。

【マイメロ論と心理学】

 

TBSの宇垣美里アナウンサーの
「マイメロ論」が面白い。

ストレスを緩和するための対処法のことを
“ストレス・コーピング”というが、

少しこの心理学のセオリーと
違うところがあって興味深い
のである。


宇垣美里アナはとあるコラムで

「ふりかかってくる災難や、どうしようもない

理不尽を、一つひとつ自主的に受け止めるには、

人生は長すぎる」

と書き、

「そんなときは、
『私はマイメロだよ~☆ 
難しいことはよくわかんないし
イチゴ食べたいでーす』

って思えば、
たいていのことはどうでもよくなる」

と綴った。


実は、ストレス・コーピングには
大きく

1、問題焦点型
2、情動焦点型

の二種類がある。

1、問題焦点型コーピングは、
原因となる問題に働きかける方法。

例えば騒音が気になるなら、
ヘッドフォンをするとか
場所を移動するといった
直接対処するやり方だ。

2、情動焦点型コーピングは、
考え方や捉え方を変える方法だ。

物事のプラスの側面を探すことや、
そもそも気にしている自分を
認めてあげるだけで
気持ちが楽になったりする。


「マイメロ論」は、系統的には後者だ。

悩みというのは、
一度 自分の中に入り込むと
ぐるぐる脳裏を巡る。

それを、スコーンと断ち切るのが、
「マイメロ論」の効果だ。

イチゴが出てくるのもよい。

悩みで堂々巡りをするのは
思考だから、

悩んでいる時には五感や身体感覚が
意識から遠くなっている。

おいしい食べ物は、そんな悩みを
断ち切るパワーがあるのだ。


さて、ここからは
完全に余計なお節介である。

ちょっとだけ心理学的な
深読みをしてみる。

「情動焦点型コーピング」と比べて
「マイメロ論」が変わっているのは、
ストレス対象を変換するのではなくて、
自己イメージを変換しているところだ。

通常のコーピングでは
ストレスの“対象”に働きかける。

問題焦点型もそうだし、
情動焦点型でも、簡単に言ってしまえば
対象のイメージを変える。

だけど、「マイメロ論」では
自分のイメージを変える。


「マイメロ論」と検索すると
補助キーワードに「心理学」と出てくる。

合わせて検索する人が多いのは
気になるからだろう。


自分のイメージを他のものに置き換える時、
今の自分は横に除けて、

否定(または凍結とか何か)しているのである。

あらかじめ自分の評価を自分で下げておくことを
心理学で「ディスカウント」という。

自分を無力なものとして扱うことで、
失敗のダメージを抑えられる。

それは反面、
失敗する自分を許せていないわけで、
今を超えた挑戦しないことにも繋がって
臆病だとも言える。

人にはそもそも色んな面があるもので、
僕はどちらかというとそれを伸ばす
手法を選ぶことが多い。

だから、どちらかというと
マイメロな私、を引き出すイメージが
良いように思う。

マイメロに変身してしまうと、
そうでない自分が取り残されていて
残った自分と「理不尽な問題」が
くっつきっ放しになる。

そうすると、自分と世界の関係が
解決しないままになってしまう。


このマイメロ論が書かれた文脈も、
それを示唆していて気になる。

降りかかってくる災難を
本当に理不尽だと思っているなら
そんなの気にしなければ
いいことでしょう、と僕なら思う。

普通悩む時は、
災難が理不尽だと思えなくて
悩むものだ。

理不尽な世界と自分の関係は、
その人の人生観と強くつながってくる。

人は誰しも小さい時に
“人生とはこういうもの”という
イメージを作りあげる。


宇垣美里アナは、

「ふりかかってくる災難や、
どうしようもない理不尽を、
一つひとつ自主的に受け止める
には、人生は長すぎる」

と書いていた。

最後、“人生は長すぎる”となっている。

普通、というのもおかしいが
慣用句的には

どうしようもない理不尽を受け止めるには
“人生は短い”って書かないだろうか。

これは、「理不尽な災難」が起こるのが
例外的な出来事ではなくて、
人生のスタンダードだと感じていることを
示唆しているのだ。


さて。

「マイメロ論」は同年代の若い女性に
共感の声が多いそうだ。

分かるなぁと思われた方、
【人生観】の方もチェックしてみることを

おススメします。

新しい自分が見つかるかも知れませんね^^

ついに昨日24時、
編集学校「離」の全過程が
終了した。
 
10,000字の卒論も
ぎりぎりで書き切った。
 
どの学びもそうだが、
修了は実践の始まりである。
 
 
来月から第二金曜に、
世阿弥の「風姿花伝」共読会を
主催する。
↓ ↓
https://peraichi.com/landing_pages/view/0vfoz
 
世阿弥は、
能を確立した天才である。
 
世界に絶賛された能だが、
(僕も含め)日本人の方が
分からなくなってしまった。
 
 
ケルトの詩情をうたった
ノーベル文学賞のイエィツは、

「鷹の井戸」という
“ケルト英雄能”を作ったくらい
能に惚れ込んでいた。
 
 
イエィツは、学ぶことについて
こんな至言を残している。
 
「教育とは、
バケツに水を満たす
ようなものではない。

火をつけて
燃やしてやることだ」
 
 
編集学校「離」では、
講師陣を“火元”と呼ぶ。
 
凄まじく過密で
素晴らしく苛酷だった
火の奥の記念に。

台風一過、
皆さまいかがお過ごしでしょうか。

関東圏では少し前まで
風がゴーゴー吹いていましたが
今は穏やかになって来ました。


さて、僕は
松岡正剛のisis編集学校の
プログラム守・破を修了していて

実はいま最難関プログラムの
「離」を受講中です。
(なので、メルマガ配信が減ってます)

とはいえ会社員しながら
メンタルヘルスの講師をして、
僕のメインプログラムも
受講いただいてと
お陰様で超充実しております。


そしてその「離」のプログラムは、
平均2000字のテキストが
一日数回届き、そこに埋め込まれた
調査や深い考察が必要なお題が複数。

始まって一週間で、
古代中国の思想家達をお互いも
ほとんど知らないグループ同士で
三日で調べあげて膨大なレポートを
作成するという
脳から出血しそうな
プログラムなのです。


さて、先週は一週間
お休みだったので
(「お休み」と書いて溜まったお題を
片づける「追い上げ」と読むのですが)

中国思想家の
代表と言うか事始め、
「孔子」について
お話ししようかと思います。


孔子と言えば「儒教」の創始者。
皆さま儒教というとどんな
イメージをお持ちでしょうか。

孔子が生まれたのは
西暦前551年。

中国を統一していた「周」という
王朝が斜陽にあって

春秋戦国という
動乱の時代に移り変わっていく頃です。


儒教というと礼や孝のイメージを
お持ちの方も多いと思いますが、
孔子の言う礼とは
この「周」で定められた規定を
守る意味合いが強かったのです。

日本に孔子の教えが入って来たのは
西暦5世紀過ぎですから、
1000年近く経っています。

この頃には論語を含む四書五経の
形に整理されて伝わりました。

儒教の元となる論語は
孔子の語ったことを後の弟子たちが
まとめたものですから、
孔子は違うものから教えを説きました。

それは、「詩経」でした。
彼は自然を見ること、歌う方法
自然の類別や理をきちんと言葉で
表現することが
正しい政治、礼につながっていくと
考えていたのです。


僕は、論語、儒教というと
徳川政権のイメージを持っていましたが
聖徳太子の前から入っていて
日本を形作ってきた思想の
一つだったのです。


さてでは、論語で一番好きな
言葉を引いて終わりにします。


「君子は和して同ぜず、
小人は同じて和せず」


広い知見を愛しながら
自分を持っていられる。


そんなようであれますように。



今日も最後まで読んでいただいて
ありがとうございました^^

僕が時々イベントで借りている

明日館の素敵な講堂の二階席。

 

東日本大震災の時、

揺れの方向がちょっと違ったら

倒壊してもおかしくなかったそうで、

 

最近まで耐震工事をしていた。


当初ここはテニスコートで、

この講堂が立った時には

元々椅子は入っていなかった。
 

だから、学生たちは

この段々に直接坐った。
 

粋な工夫があるというので
僕も坐ってみる。
 
分かるかな?

 


 

↑上から見た二階席はこんな感じ。

 とても音響がよく響く。

 

↓坐るとこんな感じ。

 


立った時の一枚目は
一階全体が見えるのだけど、


坐ると前の空間に
舞台だけが見えるようになるんだよ^^

日中は陽射しが強かったですが、
日が落ちたら気持ちよく
盛況のうちに開催させて頂きました♪
 


この明日館、夜はまた
落ち着いた雰囲気で素敵^^
 
すぐ活用したいことは?
というアンケートには、
 
・五感を感じて生きること
・呼吸を大事にしたい
・イメージの力をプラスに使いたい
・ハイパーリラクゼーション
・ピンクの象(?また出たw)
 
という感じで、
盛りだくさんでした~。
 
特に、悩んでいるとき
人はどれだけ「頭」で悩んでるのか、
ということが印象深かったみたいです^^
 
そのままほぼ全員で
(お一人ご用事で残念でした)
前教えてもらった
美味しいうどん屋さんにGO! 
 
最後まで皆さん、
とても和気あいあいと楽しんでくれて
とても嬉しかったです。
 
ありがとうございました~!!

物理専攻のとってもロジカルな方に
心理学を授業で習っていた時に、
仲間たちと疑問に思っていた
ことがある、と言われた。
 
何かと聞くと、
カウンセリングは質問して
その人の内面を掘っていく。
 
そうすると、
何か現状を改善しないといけない時に、
内面ばっかり見ていたら
改善が出来ないのじゃないかという。
 
 
僕は少し考えて、
答える。
 
例えばストレスケアには
「問題焦点型コーピング」と
「情動焦点型コーピング」とがあって、
 
両面必要ですね、と。
 
でも、自分を見直して自分が変わると
関係が変化しますよ、本当に、と答えた。
 
 
今ちょっと思うのは、
 
現状が行き詰った時に、
自分の内面を振り返らずして
現状の改善って、
多分できないよ、ということ。
 
これは根拠も何も無い、
僕の確信。

今週は自殺予防週間だ。
 
5年くらい前まで
年間の自殺者数は3万人を超えていたけど、
今は27000人くらいで少し減ってる。
 
ただ減っているのは年齢が上の人たちで
若者、働き盛りの人たちの自殺者数は
減っていない。
 
自殺するほど悩むとき、
悩んでいるのは心、つまり脳で
 
でも本当は心は身体つまり五感と
つながっているのだけど、
その声がほとんど聞けていない。
 
 
僕はこのことを考えていて
井上ひさしが「ボローニャ紀行」で
書いていたとある高名な建築家の
言葉を思い出した。
 
井上ひさしが
「日本に観光でたくさん人を
呼ぶにはどうしたらいいか?」
 
とその建築家に尋ねた。
 
じつにあっさりと
彼はこう答えたのだそうだ。
 
「東京のどこでもいい、
あるいはあなたの故郷の
山形の田舎でもいい、
 
いま現にある建物や街並みを、
そっくりそのまま百年間、
保存してごらんなさい。
 
日本の百年前の姿を観るために、
それこそ世界中から人が集まってきます。
保証しますよ」
 
 
僕は、
今の街並みに価値を見出せない人に
今の、自分に絶望している人に、
このことを知って欲しいと思う。
 
井上ひさしの質問は、
苦しんでいる人の
悩み方に、似ている。
 
 
9/18に僕がイベントを開く明日館は、
フランク・ロイド・ライト設計の
歴史的建造物だ。
 
とはいっても当時は、
学び舎に過ぎなかっただろう。
 
歴史的建造物を使いながら保存する
という理念を持って
自由学園明日館は運営されている。
 
 
悩んでいる時に聞こえなくなってる
身体の声は、
歴史と建築が語るものと似ている。
 
僕が言っていることが分かる人も
分からない人も、ぜひ来てほしい。
 
身体と五感と悩みの関係を
ちゃんと説明するからね。
(そういえばskypeで最初やった時は
この話ししなかったなぁw)
 
 
9/18(月・祝)17:00~
- 心と脳のストレス教室 - 
 

http://koryupa.jp/events/detail/299526

秋の川面が綺麗、
あと鯉が激しくバシャバシャしてた
逆鱗cafeですw
 

 
多分逆鱗左上(感情タイプ)

っぽいんだけど、
それにしては引きこもりがち
なのだよな~と仰ってて、
 
人間関係で出来てないと思う所、
理想が高いからそう思う時って
あるよね、という話しをしたり^^
 
 
国会図書館で働いてて
小説好きというので、
どんなの好きなの?と聞いたら、
 
えーと、
早川書房というところで本出している
森 晶麿さんという方がいて、、
と言うので吹いた。
 
アガサクリスティ賞取ってる
ミステリ作家なのですが、
元同僚なのです。
(あ、来週文庫が出るそうです)
 
世間って狭い。

 

 

逆鱗cafeの
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