歯医者が好き、得意な人なんて、
世の中、絶対にいないと思う!
殆ど全員が、
仕方がないから、時々歯医者に行っているだけ、
だと思う。
私も歯医者だけれど、
自分が患者の場合には、
いつも緊張する!
(というか、やっぱ嫌なんだよね。。。)
「痛いのは絶対やめて!」
「乱暴に力任せにしないで!」
「丁寧にジェントルタッチでやって!」
みたいに?!
いつも心の中では思ってる。
でもね、
最近特に思うのだけれど、
治療に真面目な歯医者の立場からして言うと、
不必要なところで丁寧慎重になり過ぎると、
良い治療が出来ない!!
と思うんだよね。
要は、
患者さんが不快に思わないように、という事ばかりに気を取られ、
ジェントルタッチ・デンティストリーにこだわり過ぎると、
治療手技上の、本来重要な要所要所において、
抜けが生じてしまうかもしれない
ということなの。
例えば、、、
歯のクリーニング。
私は歯医者だけれど、クリーニングも私の担当よ!
なぜならここシンガーポールでは、
クリーニングもドクターが行うのが結構普通で、
私もそのうちの一人。
日常茶飯事で、
歯医者の私自らが患者さんに行ってるクリーニングだけれど、
私のクリーニングは特に、
徹底してると思うわ!
だって、
プラークから歯石、ステインまで、
歯の表面に付いた汚れすべては、隅々までくまなく
徹底的に完全除去!!
して患者さんには帰ってもらっているからね。
よくね、
やったつもりだけの、
実は細かい部分の汚れが取り切れていない、
それ、何の為のクリーニング???
的なものだけで終わってしまっているクリーニングって
実際にあるじゃない。
あれを、私は私の患者さんにはさすがにしたくないなぁ~。
だってさ、そんなことしてたら、
何の為にお金払ってわざわざクリーニングしに来てるの???
て感じじゃない?(ぶっちゃけ)
ま、歯医者が苦手過ぎて、
とにかく、快適に楽にスピーディーに終わってくれればそれでいい!!!
という患者さん層には、そういうクリーニングの方がウケるんだろうけどね。
でも私は、
見かけだましとか、やったふりっていうのが
無茶苦茶嫌い~!!!
なタイプでして。。。
(だからこそ、時にはそれで損をしてきたことも、実は過去には何度もあるわ…?!)
せっかく、クリーニング代を払って歯をキレイにして帰りたいなら、
歯医者の目線から見て、
やった甲斐100%の真のクリーニングだけを、
どの患者さんにも提供したいじゃない!
こうした気持ちって結局、
他どんな治療においても一緒なんだけどね
だから、
私はクリーニングの前にはこうして
全ての歯の磨き残しを染め出します。
*因みに上の写真のPink/Purple/Blueの色分けについてを説明しておくと、
-Pink:付着して間もない細菌塊(プラーク)
-Purple:付着してすでに48時間以上が経過した、成長増殖した細菌塊
-Blue:それ以上成長増殖した細菌塊より、Toxicな物質(虫歯の元となる酸)がすでに放出されている、あってはならない状態
Blueは一見ついていない様に見えても、Purpleの下に隠れて付いている事があります。
口の中のこうした汚れ(細菌)は、
色を付けることによって視覚化されるため、
患者さんにとっては、
どこを注意して今後磨かなければならないかの指標になるし、
クリーニングによって汚れが完全除去された事がよくわかります。
また歯医者にとっても、
取り残しを確実に防げるという絶大なメリットとなります。
ほら
一切の汚れも残しません。
歯の表面はツッルツルよ~
*赤く出血しているのは、乱暴なクリーニングで歯茎が傷付いたのでは決してありませんからね。
色に染まった細菌塊(プラーク)が付着している部分は歯肉炎が生じるので、すぐに出血しやすい状態の病的な歯茎となってしまうのです。
だからそうした部分は、ほんの少し触れただけですぐに出血して当たり前なのです。
つまり、出血する部分は不健康な証!なんですよ。
それなのに、昔勤めていたとある日本の歯科医院では、クリーニング時の出血で患者さんが変に誤解するのを恐れて、クリーニングでは絶対に出血させるな!(出血させない程度のクリーニングに止めて置け)と衛生士に豪語していた院長もいました。
これこそ、本末転倒、見掛けだまし的歯科医院の良い例ですよね。。。
ここまで徹底的にクリーニングをするものだから、
正直に言うと私、
特に汚れている人、磨きが悪い人のクリーニングでは、
もう本当にくたくたヘトヘトになってしまうんです
治療の時よりも肉体的にヘトヘト感を感じる程…。
きっと、本数が多いから?治療の場合はやって1~2本だけれど、クリーニングの場合は28本だからね。
そして最近はPPEフル装備だしってものあって。。。
きっとその分、患者さん本人も、ツラ~疲れた~
なんだろうけれどね~(笑)。
でも私にとってしてみたら、
患者さんがもし、私のクリーニングで、
ツラ~疲れた~と思ってしまうのならば、それは、
あなた自身の磨き方が悪く、
汚れが沢山付きまくっているからよッ!!!
それを私はあなたの為に、徹底的に全部取ってあげたわけなの。
と返答したくなるものだわね。
患者さんは、わざわざお金払って、
本来、お口の中をキレイにする為に、クリーニングを受けに来ているのよ。
それならばなぜ、
汚れが100%取りきれていない、やったつもり的クリーニングを
提供する必要があるの???
って思うんだけれどな…。
汚れ(細菌塊)が歯や歯茎に残ると、将来どうなるか?
という事をよく知っているのは歯医者自身!
そして、
そんな汚れが患者さんのどの部分に残っているか?
を分かっているのも、歯医者自身!
*歯医者自身とここでは書いているけれど、日本では実際にそういう業務に携わるのは衛生士。だから、衛生士に置き換えて読んでね。
ならば、
歯医者(衛生士)がその事実を、
熱意をもってちゃんと患者さんに説明し、
そして理解してもらって、
例え患者さんに面倒くさがられたとしても、
真の健康なお口の中を患者さんに獲得してもらえるよう、
心から貢献するべきじゃないかしら???
ウザがる患者さんは残念ながらそれまでだと思いましょう。。。
そうした人は、健康なお口を維持することすら、この先ままならないでしょうから。
わ~ッ!今日は久々熱くなったわぁ~!!
でも、たまにはこうして熱く歯医者の気持ちを書く事も、ホント大切だと思うわ。
でもさ、
歯医者が真摯な気持ちで対応し、確かな治療技術を患者さんに提供していかなきゃならないよ、
ということを、
個人的なブログででも書かなきゃ、
誰が患者さんの歯を健康にしていくことが出来るっていうの?
そして、
患者さんからどうやって、尊敬され感謝される歯医者になれるっていうの??
一人一人の歯医者の、こうした熱い気持ちが、
歯科医療全体をよくしていくんだよね。
医療報酬を稼ぐ?
医院規模を拡大する?
こういうのも、殆どの歯科医にとって大切?かもしれないけれど、
患者さんの治療においては、
歯科医療人としての、大切な事を、
決して忘れて欲しくないわよね。
医療系に比べ、歯科は、
たかが歯、されど歯
なのかもしれないけれど…、
なるべく多くの人に、歯科の重要な事を気付いてもらいたいなぁ…と思います。
*ところで、最後に弁明しておきますが、私のクリーニングが徹底して疲れるクリーニングのように受け止められる書き方を冒頭でしていますが、決してそれが「痛くて痛くて拷問的だ」と言っているわけではないので悪しからず…。ま、確かに、患者さんにより好き嫌いはあるかと思うけれど、決して「痛くて拷問的」ではないので悪しからず…。
Love & Protect Your Teeth